自校に優秀な学生を招き入れるため、卒業生からの支援を増やすため…。大学はいかに情報を発信し、ブランド価値を高めていくべきか。

毎年、夏休みに開催している「科学体験教室」は、2013年に12回目の開催を迎えた。こうしたイベントの開催にあたっては、事後レポートの発信を意識し、会場にカメラマンが入って広報用オフィシャル写真を撮影することが多いという。
東京都市大学(都市大)は、武蔵工業大学と東横学園女子短期大学が統合し、2009年4月に誕生した。新たなスタートに伴い、両校の母体である学校法人五島育英会が設置する高校・中学校・小学校・幼稚園も付属校として同時に名称変更し、「東京都市大学グループ」となった。「名称変更した当時は、大学名の認知を一気に拡大すべく、交通広告をはじめとする積極的な広告展開を行った。5年目を迎えた現在、道半ばではあるが、認知向上を含めたグループの改革を広く伝えることができている」と学校法人 五島育英会 法人本部広報グループ課長の濱田 努氏は話す。
これまで着実に高めてきた大学の知名度、そして徹底的に統一したVIなどを通じて伝えてきた先進的な都市型大学のイメージを土台に、次に目指すのは大学の“中身”をより広く・深く社会に伝え、理解してもらうことだと言う。「長く工学系教育をリードしてきた武蔵工業大学の研究教育内容を受け継ぎながら、時代の変化や社会の要請に応えた幅広い学術領域をカバーしている。広報として、その教育の専門性の高さや研究成果を、社会に向けて積極的に発信していきたい」(入試広報グループ部長・市川 康氏)。