
「値上げのためのマーケティング戦略―まだ価格競争で勝負するのか?」
著者:菅野誠二
発行:クロスメディア・パブリッシング
価格:1680円(税込)
高収益企業の共通点
長く続いたデフレ経済から脱却しきれない日本企業。特にものづくり企業においては価格競争の消耗戦から脱却するには、機能価値+アルファの価値創造が不可欠だ。米・アップルのようなものづくり+コトづくりの融合による、新価値提案が求められるが、技術力に基盤を置いてきた日本企業は不得手とする部分だ。
こうした日本企業が抱える課題に対し、「価格戦略」の観点から活路を見出すヒントを提示する書籍が刊行になった。菅野誠二氏が書いた「値上げのためのマーケティング戦略―まだ価格競争で勝負するのか?」だ。著者はネスレやディズニーなどの外資企業でマーケターとしての実務経験を積んできた人物。その後もコンサルタントとしてマーケティング関連のプロジェクトに関わる中で、高収益企業は強い商品に絞りこみ、ブランディングやデザインといった情緒的な価値向上のための努力を継続投下していること。かつ最も特徴的なことが、戦略的なプライシングを実行している点にある、と共通点を指摘する。