
<三村先生のおすすめ書籍>
生活文化、経験価値、地域社会への貢献を目指す食農連携マーケティングは、「マーケティング3.0」の概念にも共通すると三村教授。『コトラーのマーケティング3.0-ソーシャル・メディア時代の新法則』(朝日新聞出版刊)
12月5日、大衆薬のインターネット販売について定めた改正薬事法が成立。大衆薬の99%超のネット販売が認められることとなった。マーケティング領域の中でもメーカーと卸・流通の接点、特に医薬品流通や大店法と大型店出店問題についての研究を続けてきた青山学院大学の三村優美子教授は、この出来事を現在の日本のマーケティング環境を象徴する出来事と考えている。
「医薬品のネット販売解禁の議論とは、対面販売原則の否定。医薬品販売における薬剤師という機能の否定でもあった」と三村教授は話す。
医薬品に限らず、たとえば化粧品も専門店での販売から薬局やドラッグストアでのセルフセレクション型へと変容するなど、売り場において人を介したコミュニケーションは希薄になりつつある。それについては「商品がマスプロダクション型、つまりはコモディティ化していくなかで、店頭での説明が不要になり、売り場が軽くなっていく傾向にあったため」と話す。しかし「だからこそ、その反動で揺り戻しが起きるはず」とも考えている。