タイム社、買収戦略へ転換

公開日:2013年12月24日

新たな広告商品の企画開発にデジタル化への対応...。常に世界の出版界の動きを牽引してきた、米国の雑誌業界の動向を現地からレポートする

金融機関に対する新たな規制が施行されたことを受け、アメリカン・エキスプレスは金融事業に集中するために好調な雑誌を売却せざるをえなくなった。同社とタイム社は長年、協力関係にある。雑誌業界が業績低迷に苦しんでいる危機的な状況の時にも、タイム社は、出版の専門知識、特に部数についての知識を伝授していた。タイム社は、『トラベル&レジャー』と『デパーチャーズ』という強力な雑誌を携えて旅行分野に進出することになる。現在、この2誌は4誌ある旅行雑誌の分野でトップを争っている。

ここ最近、米国出版界では大きな合併や買収の噂が聞かれなかった。各社とも、事業拡大を考える前に、まずは解決しなければならない目の前の課題が山積していたからだ。

しかし、そこににわかに動きが出てきた。2013年の夏も終わろうとしている頃、タイム社が大半の雑誌を売却する話を白紙に戻した直後、雑誌業界で買収の動きが活発化してきたのだ。

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