量販店に出向く機会の少ない女性たちのもとへ、執事が「出向く」
「お嬢様、本日はご来店ありがとうございます」。食事中の女性グループのもとへ、執事の格好をした2人の男性がパソコンを手に話しかける。
これは、富士通が2012年11月に発売した女性向けのウルトラブックパソコン「Floral Kiss(フローラルキス)」において、今年の3月に行ったプロモーションの様子である。フローラルキスは、「PCに、エレガンスを」のコンセプトのもと、女性社員が中心となって企画・開発したもの。そのデザインからアクセサリー、マウス、アプリケーションなど中も外も細部にまでこだわられている。しかし、富士通のパソコンとしては「FMV」シリーズが広く認知されているが、フローラルキスにはどこにもFMVと明記されていない。「女性向けのニューブランドとしての"フローラルキス"を立たせるために、明記していません」(富士通ユビキタスビジネス戦略本部 プロモーション統括部 パーソナルプロモーション部 三田優花氏)。

量販店に行かない人にも拡散
執事との写真は、フェイスブックなどへの投稿もトーク上で促進。執事に加えてフローラルキスもきちんと見えるように撮影し、フローラルキスの認知が高まるように。

また、名刺も制作し、終わったあとも少しでもフローラルキスを覚え続けてもらうようにした。
発売後より、テレビCMや女性誌への広告出稿など従来型の広告を展開ししているが、さらなるターゲットへ直接アプローチをし、認知を高めていきたい。そこで、ターゲットがいる場所に"押しかける"という案が浮上した。
「フローラルキスに興味を持ってもらいやすい女性は、量販店のパソコン売場に訪れる機会が少ないのではないか。それならば、自らターゲットである女性のもとへ出向いてフローラルキスの良さを説明しようと考えたんです。ここ数年、さまざまなところで取り上げられている『女子会』と『執事』を組み合わせたら、プロモーションであっても、女性の方に受け入れられやすいのではないかと思いました」。決裁をとる際も、ターゲット女性のもとへ出向く必要があることを伝えたところ、スムーズに決まったという。