『伝説の授業採集』の授業が体験できる、特別スピンオフ企画。先着40名限定、お申込みはお早めに!
「伝説の国語教師」「国語教室の神様」…そう教育史の中で語りつがれる、大村はまをご存知でしょうか?
大村はまは、昭和を代表する国語教師であり、52年間(半世紀)もの間現場で中学生を教え続けました。同じ授業を繰り返すことなく、毎回異なる手作りの独創的な教材を用意し、子どもたちの勉強への意欲を引き出したことで知られています。
彼女の残した言葉のひとつに「研究をしない教師は先生ではない」があります。数多くの実践、研究を積み上げ、最後まで満足することなくあるべき授業のスタイルを追求し続けたそのストイックな生き様が、この言葉からも感じ取れるのではないでしょうか。
大村はま
1906年、横浜生まれ。1928年、東京女子大学卒業後、国語科教師として長野県の諏訪高等女学校に赴任。1947年、新制中学の教師に転出し、以来、単元学習など数多くのユニークで実践的な指導を重ねる。優劣の意識を越えたところで生徒を授業に熱中させる、新鮮で画期的な「大村国語教室」は子供たちを育てるばかりではなく、教師・研究者・親にも貴重な刺激を与えてきた。著書に『大村はま国語教室』(全15巻・別巻1)をはじめ、『日本の教師に伝えたいこと』など多数。2005年没。
このたび没後20年を記念し、大人向けにその授業を再現する特別なイベントを開催します。
本イベント開催の背景
宣伝会議より2022年9月に発売された書籍『好奇心とクリエイティビティを引き出す 伝説の授業採集』。
著者であり「伝説の授業ハンター」として活動する倉成英俊さんが、驚くほどクリエイティブな国語の授業として取り上げたのが、大村はまの「隅田川の花火大会の新聞記事を、中学生が読み比べる授業」でした(この授業を紹介した記事はこちら)。
この記事の執筆をご縁に、大村はまの教え子であり、大村はま記念国語教育の会理事長・事務局長も務める苅谷夏子さんとの出会いが生まれ、本イベントを開催することになりました。
当日は、大村はまが実践した授業のアーカイブのひとつに、実際にワークとして取り組む時間も設けます(花火の授業とは異なる内容になります。内容は当日のお楽しみ)。
本イベントはこのような方におすすめです
・コピーライターや編集・ライターなど「ことば」を生み出す仕事をされている方
・広告や広報担当者、メディア関係者など企業の中で「ことば」を扱っている方
・学校など教育の場で、「教える・導く」立場でお仕事をされている方
・「ことば」がとにかく好きな方、「ことば」に深く向き合いたい方
倉成英俊さん(『伝説の授業採集』著者)からのメッセージ:
「伝説の授業」をリサーチする中で、大村はまさんの凄い授業と出会いました。もっと早く知りたかった。できれば教わりたかった。昔通った宣伝会議コピーライター養成講座でも、古巣の電通でも習ってない、言葉のレッスンでした。今回、大村さんの教え子で一番弟子の苅谷さんに、授業の再現&実践を依頼し、実現します。またとないチャンスです。幅広いジャンルからのご参加、お待ちしています。
苅谷夏子さん(大村はま記念国語教育の会理事長・事務局長)からのメッセージ:
大村はまのプロジェクト型授業の基本にあったのは、自分の脳とことばと世界とをいきいきと連動させる手ごたえそのものを味わわせ、手渡そうという姿勢です。正しいだけで退屈なことばは、あの教室にはなかった!そういう授業の一端を何とかお伝えしようと思います。
流行りの定型文が当たり前のように身の回りにあふれ、AIに言葉を任せてしまうことも増えてきた中で、もう一度言葉の持つ豊かな表現力と、こころと言葉を正確に結びつけることに、向き合ってみませんか。伝説の国語教師の伝説たるゆえんを、身をもって体感するまたとない機会です。ぜひ奮ってご参加ください。
開催概要
日時:2026年1月24日(土)18:00〜20:00開催
定員:40名
会場:宣伝会議 セミナールーム(東京・表参道/リアル開催のみ)
参加費:1500円(税別)
講師プロフィール
苅谷夏子(かりや・なつこ)

1956年東京生まれ。太田区立石川台中学校で単元学習で知られる国語教師・大村はまに学び、恩師の晩年には研究や執筆の助手を務める。その後、大村はま記念国語教育の会事務局長、現在は同理事長として大村の思想と実践の継承を目指して活動する。東京大学国文科卒。主な著書に『教えることの復権』(大村はま、苅谷剛彦との共著 ちくま新書)、『大村はま 優劣のかなたに』(筑摩書房)、『評伝 大村はま』(小学館)、『フクロウが来た』(筑摩書房)『タカシ 大丈夫な猫』(岩波書店)、『ことばの教育を問いなおす』(鳥飼玖美子、苅谷剛彦との共著、ちくま新書)などがある。

倉成英俊(くらなり・ひでとし)

2000年電通入社、クリエーティブ局配属後、多数の広告を制作。2005年に電通のCSR活動「広告小学校」設立に関わった頃から、好奇心と発想力を育む「変な宿題」を構想する。2014年、電通社員の“B面”を生かした新規クリエイティブ組織「電通Bチーム」を設立。2015年に教育事業として「アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所」を10人の社員と開始。以後、クリエイティブな教育を推進すべく、小学校から社会人の講座まで、100以上のプログラムを日本各地で実施。2020年「変な宿題」がグッドデザイン賞、佐賀の藩校を復活させた「弘道館2」がキッズデザイン賞を受賞。2022年、世界中のズバ抜けて面白い教育のリサーチ集『伝説の授業採集』(宣伝会議)を上梓。

参考リンク:
『伝説の授業採集』で大村はまの国語授業を取り上げた記事はこちら
同じ隅田川花火について、4つの新聞社が書いた記事の、違いを比べる授業。
苅谷さんによる「伝説の教師 大村はまの国語授業づくり」コラム(「みんなの教育技術」連載)
「てびき」をキイワードに再発見する 伝説の教師 大村はまの国語授業づくり #1 「楽しくない子どもが、何を考えるというのでしょう」
「てびき」をキイワードに再発見する 伝説の教師 大村はまの国語授業づくり #2 「ぽっと始めてぷつんと終わる」作文を
「てびき」をキイワードに再発見する 伝説の教師 大村はまの国語授業づくり #3 代表的単元学習「花火の表現くらべ」(前編)
「てびき」をキイワードに再発見する 伝説の教師 大村はまの国語授業づくり #4 代表的単元学習「花火の表現くらべ」(後編)

