体験デザインブランディング コトの時代の、モノの価値の作り方
室井淳司(著)
デザイナーという、特殊な思考回路を持つエネルギッシュな生物を、もっと企業活動に活かすべきだ。デザイナーに対してデザインの対象物を与え、その範囲内で彼らの才能を使うだけではもったいない。デザイナーは、感覚的思考の持ち主であり、優秀なデザイナーは、右脳と左脳を自在に使い分け、新しいビジョンを描ける。経営者は、うまく使えば思わぬギフトをもたらすデザイナーをいかに使うべきか。そしてデザイナーは経営者の期待を超えていくために、いかに進むべきかの方法論。
アーキセプトシティ 代表/エクスペリエンスアーキテクト
室井淳司
1975年広島県生まれ。2000年東京理科大学理工学部建築学科(建築意匠専攻)卒業後、博報堂入社。空間開発チームに所属し、企業空間・店舗ブランディング、商品開発、プロダクトデザイン、体験コミュニケーションクリエイティブ業務に従事。2007年空間ブランディングを実行する社内組織、「博報堂エクスペリエンスデザイン」を発足。 2009年ミラノサローネサテリテ参加。2011年金沢美術工芸大学非常勤講師。 2012年博報堂史上初めて、広告制作職外からクリエイティブディレクターに当時現職最年少で就任。 2013年博報堂を退職し、空間クリエイティブ・デザインファーム、アーキセプトシティ設立。2013年4月より博報堂最年少フェロー。表参道布団店 チーフクリエイティブオフィサー。
目次
はじめに
第1章:ブランドと体験
- 建築からブランドへ─日産のリブランディングを生で経験して
- 一からブランドを立ち上げる経験をして
- 顔の見えない、エンドユーザーの価値観を捉える
- なぜ体験か?─モノからコトの時代へ
- ブランドの体験とは?
- ブランド体験を買うということ
- 体験は、デザインとセットで語られる
- 体験は広がる
- リアルなブランド体験を構成する3つの要素
―design、operation、product - 体験シナリオの構築は、ブランド体験の精度を高める
第2章:体験デザイン─企業のブランディング事例
- スターバックスコーヒーの体験デザイン
- 青山フラワーマーケットの体験デザイン
- ドン・キホーテの体験デザイン
- ホテル体験に見る、体験シナリオの重要性
- 「星のや」の体験デザイン
- 「ナインアワーズ」の体験デザイン
- 「Nespresso」の体験デザイン
第3章:ブランディングにおけるデザインとプレーヤーの役割
- デザインとはブランドの可視化である
- デザインは、ターゲットと共にある
- ヤンマーに見る、ブランディングとデザイン
- ブランディングファームとは
- デザイナーは経営者のパートナーに
- クリエイティブディレクターという戦略家
第4章:体験デザインのつくり方
- ブランド体験をつくるにあたり
- ブランド空間構築における5つのプロセス
- 具体的なデザインを始める
第5章:体験デザインの実践─「一番搾りフローズンガーデン」
- ゴールの共有とブランディング
- 人、モノ、空間の定義プロセス
- 仮設建築型プロトタイプ店舗デザイン開発
第6章:デザインイノベーションへの挑戦─「表参道布団店。」
- ネーミング
- ロゴデザイン
- 21世紀のメーカーの販売チャネル
- 売り物は、デザインという考え方
- モノの売り方を時間単位にする