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時代が変化している時、初期の人の対応は大きく3つに分かれます。①キャッチアップを先行させるタイプ、②先行者の動きを見てから対応を考えるタイプ、そして③その変化が起こらない事に期待するタイプ、この3つタイプです。
個人としての動きは上記になりますが、企業としての③の選択はリスクを孕むことになります。現在メタバース市場は年10%以上の伸びを見せ、2024年には90兆円を超える規模まで成長すると見込まれています。まさにブルーオーシャンの様相を呈しているため、世界を代表する企業がこぞって進出を強化し、新たなサービスの構築に日々しのぎを削っています。その結果起こるのは、新たな産業構造の誕生です。「誰に」「何を」「どのように」から作り出される「収益モデル」の3つ全てに変化が生じ、「利益を得る構造」そのものが刷新される可能性が高まっています。
事業側の変化は、メディア企業側にも変化となって押し寄せてきます。「情報を得る手段」が今以上に複雑に、また人々が求める「モノ・コト」は志向性も分化していきます。その両方を捉え「情報」を届けていかなければなりません。
そこで必要となってくるのは「進出する・しない」、また「進出する」としたら「どのような形」なのか、その判断を今後行うために、メタバースリテラシーを高めることが必要になってきます。
メディア事業とは、技術の進歩と切っても切れない関係にあります。技術が「次のメディア」を生み出してきた歴史は、メタバースによって新たな展開を迎えます。4マスと言われた時代にインターネットが登場しその市場の構造を大きく変えたように。そして、その後、SNSがさらに行動を変化させたように、技術の進歩は今回、メタバースという形になって脅威と可能性を見せ始めています。
技術の進歩が次のメディアを生み出す歴史は、ここ数年で既存メディアの順位を変化させるという形で現れました。スマートフォンの普及率が2017年の71%から2021年の93%への上昇し、さらに携帯キャリア各社のデータ通信容量の拡大施策も手伝って1人あたりの平均データ通信量も大きく増加(2017年の約3倍以上)。
「スマートフォンの普及×データ容量の増加」の2つが結びついたことで、動画広告市場は新聞広告を上回る状況を生み出しました。
しかし、その変化も途中経過に過ぎない可能性があります。メタバースの拡大によって、この変化はさらに注視すべきものとなっています。
メディアの種類は数多くありますが、どのメディアにも共通した役割として、人の態度変容を促すことにあります。その目的達成のために「誰に・何を・どのように届けるのか」の技術を今まで磨いてきました。
しかし、この3要件が2つのメタバースによって変化していきます。
【メタバースには2つの種類がある】
・リアルに近いメタバース:デジタルツインなど現実世界と酷似した世界を作り上げるメタバース
・リアルとは切り離されたメタバース:現実世界の模倣ではなく、世界観を1から作り上げるメタバース。
前者のメタバースは、現実と酷似した世界の中でアバターを作り、リアルの活動(仕事・人間関係など)と連動をしているタイプと、「別人の自分」となるアバターを作り活動をするタイプなどが存在します。
また後者のメタバースは、メーカーが自前でメタバースを持ち、圧倒的な顧客体験を届けるためにIPの世界観を再現する試みなどが挙げられます。
メディアが受ける影響を複雑にしているのは、両者が混在して語られることが多いためです。しかし、いずれの場合であっても「誰に・何を・どのように届けるのか」が変化を受ける事自体は同じです。
メディアの特徴の1つが「誰に」に強いことが挙げられます。場所や志向性の区分によって、集まる人々をセグメンテーションできることに強さがあり、そのため広告が集まってきた訳ですが、この「誰に」への強さをメタバースの世界でも保つ必要があります。
また「どのように」、これは訴求方法です。3D空間で動きをもって訴求される広告に対して、従来の2D静止型の手法は、相対的に情報上の格差を発生させてしまうためです。さらに「枠」の概念も拡張されることが報告されています。いずれにせよメタバース内では、企業・個人が入り乱れ、極度に分化した指向性と熱量の高いグループが無数に存在するようになります。その状況下での届け方の模索が世界中で進行していきます。
新メディアが登場し状況を固定化するまでにかかる年数は約10~13年です。
しかし、それは10~13年後に市場に参入すれば良いという訳ではありません。この期間に数多のプレイヤーが誕生し、参入し、成長し、合従していきます。その過程で市場は拡大し、さらに普及が進みます。その結果、市場が形成されていきますが、市場形成・固定化されるまでに必要とされる日数が上記日数です。そのため、固定化されてからの参入では先行企業の後塵を拝すことになります。
そこで今必要なのは、不安定で先が見通すことができないメタバースに対して、メディアとしての可能性を見い出す最初のアクションです。そのためにはメタバースリテラシーを上げ、各企業の動きや技術動向など、メタバースの市場形成する様々な要素を理解し、そこから自分なりの可能性を見出す力を養っておく必要があります。
一般にメタバースは、技術革新やVR機材の安価でかつ4Kクオリティのデバイスの登場によって実現性が高くなっているとのトレンドが示されることが多くあります。しかし本当に捉えるべきことは、構造の変化です。そこで見るべきは、
・市場がどのように形成されて行こうとしているのか
・どのような新規企業が参入しようとしているのか
・その新規企業はどのようなリソースを保持しているから参入ができるのか
・その企業が作り出す参入障壁にはどのようなものがあるのか
・そして、そこに対して既存企業はいかなる方策を講じることができるのか
これらを自分なりの視点を持ち分析することで、構造の変化を捉え、脅威の度合と可能性の模索が行えるようになります。その先に自社、自部署にとっての展望が開けるようになります。
そこで、まずは見るべきポイントとしてトレンドの理解と傾向を押さえておく必要があります。
「インターネット広告」を理解したときに、「インターネットの仕組み」を理解したように、メタバースを理解するためにも、メタバースを形成する技術を理解しておく必要があります。どのような技術があの世界では用いられているのか、技術の見極めは、今後の変化を知る際に重要な指標の1つとなります。
メディア側の動きを決めるためにも、広告主側の動きを知る必要があります。その際に見るべきポイントは下記となります。
・広告主がメタバースに見出す可能性
・海外で既に実施されている施策
・今後の広告主のメタバースへの向き合い方
メタバース広告の在り方は、日本国内だけで完結はせず、海外の事例や手法も導入されてきます。そこで海外事例から動きを知り、これからの広告出稿の形を自分の視座で検討する必要があります。
また、HP・企業SNS・そしてメタバースと、新たな可能性を模索する広告主に対しどのような提案をすべきかは事業にとって重要となります。そこで、メタバースに広告費を投じる際の5つのポイントなどの解説を通じて、広告主と視野を共にする講義を実施します。
時間 | 講義内容 |
第1部 60分
メタバースの世界を俯瞰し、 可能性を見つけるために最初に知るべきこと |
1.テクノロジーによる覇者の登場と変化
・技術が覇者を生み、そして構造を変える 2.リテラシーを高めメタバースの可能性とインパクトを知る ・メタバースとは何か? ・メタバースが世界的に注目される背景 ・VRや暗号資産との関係性 ・メタバースを構成する要素(ゲーム、SNS、インフラ) ・メタバースを加速する技術(3DCG、デジタルツイン、ハードウェア) ・メタバースのプレイヤー分布状況と代表的なプラットフォーム ・メタバースのビジネスモデル ・Web3・NFTとメタバースの相性 ・メタバースが生活に定着するまでのタイムリミット 3.新しい広告出稿の在り方 ・メタバース実装時の人の情報接種の形 ・メタバースは既存の広告ビジネスを破壊するのか ・新しい企業プロモーションの事例 ・メタバース構築への理解 ・メディア企業に求められる変化と必要とされ続ける力 |
第2部 40分
メタバースを構成する「技術」とは何か? |
1.そもそもメタバースはどのような技術で構成させているのか?
・技術を知らずして、可能性は見つけられない。 ・メタバースを紐解くことで見えてくるカテゴリー 2.ARとVRは違う技術が必要? ・構成要素とその制作 3.今後増加が予想されるメタバース・クリエイター ・メタバースがインターネットと同規模程度になった未来 ・新たな活用例と可能性 |
第3部 60分
広告主がメディアとしてのメタバースに期待すること |
1.メタバースはブランド経営を根本から覆す
・メタバースはブランドのあり方から変えるほどの力を持つ ・広告主として、メディアとしてのメタバースの影響力を考える ・映画の世界がすでにCESで実現しつつある ・現実空間と融合された「広義のメタバース」はもうそこまで来ている ・メディアとしてのメタバースの可能性 ・今はまだ現実空間と切り離された「狭義のメタバース」でできること ・現実空間と融合された「広義のメタバース」で期待すること ・海外の広告主はメタバースをどう活用し始めているか ①既存の仮想空間に自社商品を露出させるブランド ②既存の仮想空間に店舗出店で売上増を目指すブランド ③新規の仮想空間を自ら作り出して顧客と新しいエンゲージメントを図るブランド 2.広告主は今後メタバースにどう向き合うか ・広がる広告出稿の選択肢 ・既存メディアとメタバースの違い -ヒントはTikTok ・メタバースに広告費を投じる際の5つのポイント |
第4部 40分
プラットフォーマーが考えるメタバースの未来 |
・現在調整中 |
※講座の内容、カリキュラム、登壇講師は変更となる場合がございます。予めご了承ください。
武井 勇樹氏
Synamon執行役員 COO
仲尾 毅氏
Adobe Creative Cloudエバンジェリスト
玉井 博久氏
Glico Asia Pacific
Regional Creative&Digital Senior Manager 兼
江崎グリコ
アシスタントグローバルブランドマネージャー
玉中里光昭 氏
Meta Platforms, Inc., / Facebook Japan 株式会社
Global Business Marketing
Head of Marketing, Japan
宣伝会議の教育講座には、受講形式が複数あります。ご都合に合わせてお選びください。
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ライブ配信
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教室開催
万全の感染対策の整った会場において、対面で、講師による直接指導を受けることが可能です。
オンデマンド配信講座
開講日 |
2022年06月10日(金)~開講
本講義は、オンライン配信講義となります。ご受講はお申込み者限りとしており、複数名での受講の場合、人数分のお申込みが必要です。お申込者には、宣伝会議IDを通じて視聴環境をご提供しております。同一IDでの複数人での視聴・社内上映などは固くお断りしております。 ・講義は宣伝会議オンライン上でご視聴いただきます。 該当期間内に宣伝会議マイページの「オンライン講座を見る」に進み、動画をご視聴ください ・視聴の際は、申込者ではなく実際に受講される方のマイページ登録が必須となります。 ・本講義には質疑応答はございません。 【レジュメについて】 講義資料はご視聴頂くマイページからPDF形式でダウンロードしていただきます。 |
受講価格 |
32,000円(税込 35,200円) ※申込金5,000円(税込 5,500円)を含みます |
注意事項 |
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