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競合商品が市場にあふれ、生活者の趣味嗜好も細分化している中で、コモディティ化してしまっている数多くの商品。魅力的な価値を感じてもらうために、改めて「ブランド」という概念が重要になってきています。「よいモノを作る」と売れるのではなく、「よいモノと感じてもらう」と売れるのです。そこで、精神的な付加価値を与えるブランドについての基礎理解から、コミュニケーションへの落とし込み方までを学ぶ「ブランドコミュニケーション実践講座」を開催いたします。
こだわりの商品やサービスを提供していても、多くの顧客に共感・支持してもらうことができなければ、ブランドとして生き残っていくことは難しいでしょう。「競合他社と差別化された揺るぎないブランドをつくりたい」「ブランドの価値をもっと広めていきたい」とお考えの方には、ブランディング戦略のノウハウを基礎から学べる「ブランドコミュニケーション講座」の受講をおすすめします。ブランドの基礎理解、インサイトの発見、全体のプロモーション展開など、「強いブランド」に育てるためのブランディング戦略の組み立て方が身に付きます。
ブランドの戦略を立てる前の準備として、
ブランドについて整理、理解する
「ブランドとは何か?」この問いにすぐに答えられる人は多くありません。重要な概念ですが、形がないもののために理解が曖昧になりがちです。どういった要素があるのか、どうすれば創れるのか...。広告・PRなどのコミュニケーション活動に落とし込むためには、まずブランドについての整理が必要です。そこので本講座では、まずこの基礎概念についての整理・理解をおこないます。
ブランディングと、売るためのコミュニケーションの違いを理解
商品は、販売促進で短期的な売上を上げることと、ブランディングで長期的にブランド価値を上げていくことが求められます。そのためには、売るためのセールスターゲット、ブランディングのためのブランドターゲットの理解が重要となります。ブランドターゲットとは、コミュニケーション上の理想の人物像を指します。そのブランドの価値観に共感する層を作りだすことで、より多くの人へと広がっていき、ブランドの価値を上げることができます。本講座では、ブランドを創る、強化する上で欠かせないターゲットの設定方法について学びます。
ブランドの対象者を設定する力を身に付ける
ブランドコミュニケーションで最も難しいことは、企業側が発信した情報は受けての解釈に委ねられるために、結果的に企業側が醸成したいイメージをコントロールできない点にあります。また、実務の現場では伝えるべき内容の精査やプロセスの検討など「この情報を見てくれた“誰か”がファンになってくれれば良い」と考え、発信の実を繰り返す施策に終始しがちです。しかし、これだけ商品とサービスが乱立した時代にこの手法で生き残ることは容易ではありません。そこでカギとなるのが、自社にとって「ヘビーな自社ファン」を明確に定義することです。ヘビーな自社ファンは、何を持っていて、どういうプロセスを経ているのか、それを把握することです。本講座ではヘビーとライトなファンを分かつ境目と、発信していく情報を考えていくことで、“その他大勢のブランド”から脱却する方法を学びます。
「ブランド品」「有名ブランドのバッグ」などのように、「ブランド」という言葉は当たり前のように使われています。では、そもそもブランドとは何でしょうか?まず、ブランドの定義についてご紹介します。
ブランドとはもともと、自分たちの家畜に焼印を押して他人の家畜と差別化する行為でした。その後、同じような商品を見分けるために製造元がつけていたマークやタグのことをブランドと呼ぶようになり、現代ではそこから派生して「高級品」「品質の良いもの」「顧客や社会にとって価値を感じさせるもの」という意味で使われています。
「ほかにはない唯一の存在である」という差別化要素がブランドの個性をより高めます。また、シャネルの「ダブルC」と呼ばれるロゴマークやシンボルのことを競合製品との差別化という意味でブランドと定義することがあります。
ブランドを形成する主な要素には「理念」「象徴」「ファン」の3つがあります。理念とは、ブランドが持つビジョン、作り手・スタッフの思い、コンセプトのことです。象徴とは、オリジナリティの高い商品やサービスのほか、ディスプレイやレイアウトといった空間演出も含まれます。ファンとは、ブランドの理念や商品・サービスに共感し、応援・支持してくれるコミュニティや集団のことを意味します。
「ブランド」と「ブランディング」は、言葉は似ていますが意味は違います。
ブランディングとは、ブランドに対して世間や顧客に良いイメージを持ってもらうための活動全般のことです。商品やサービス内容を前面に押し出すのではなく、あくまでも顧客との良好な関係を構築し、信頼感を持ってもらうことが目的です。「ハンバーガーといえばマクドナルド」「コーラといえばコカ・コーラ」というように、競合と区別して認識してもらえるようになれば、そのブランドのブランディングは成功したと言えます。
ブランディングがしっかりできていないと、価格競争に陥ってしまいます。なぜなら「安さ」を売りにすることで、最初のうちは顧客を呼ぶことができるからです。
例えば、居酒屋で考えてみましょう。人気のない居酒屋Aが、安さで勝負しようと「生ビール100円」「焼き鳥1本50円」という低価格で提供するとします。一時はそれで集客できるかもしれませんが、近隣に「生ビール90円」「焼き鳥1本45円」という居酒屋Bができれば、居酒屋Aの売りは安さだけですから、さらに価格を下げなければ対抗できないことになります。
しかし、ブランドが確立していれば、「○○ブランドのビールだから10円高い」「○○ブランドの鶏肉だから5円高い」と顧客を納得させられる上、「やはり○○ブランドのビールは高いだけあって旨い」と認識され、さらなる集客につなげることも可能になります。
顧客にブランド価値を理解し共感してもらうためには、正しいブランディング戦略が欠かせません。ここでは、ブランディング戦略を行う上で押さえておくべきポイントをご紹介します。
ブランドに独自の価値が生まれるのは、そのブランドが持つクオリティやオリジナリティ、世界観、歴史などが顧客から理解・評価された瞬間です。それらを顧客に正しく認識してもらうことは容易ではありません。たとえ自社の商品に100年以上の歴史があったとしても、長期的なブランディング活動を行い、顧客との信頼関係の構築を継続していくことが大切です。
ブランドが持つメッセージや思いを顧客に伝えて理解してもらうためには、まずブランドのコンセプトを設定し、社内で認識を統一する必要があります。
コンセプトを設定するときのポイントは、「USP(Unique Selling Proposition)」と呼ばれる「独自の売り」を活かすことです。「USP」の例としてよく取り上げられるのは、ドミノピザの「30分以内にお届けします」やM&M'sチョコレートの「お口で溶けて手で溶けない」です。「製品の作り方」「使用している材料」「接客対応」など競合との差別化に成功している部分を前面に出しましょう。
ブランディング戦略を成功させるためには、正しいターゲティングを行うことが重要です。「誰にそのブランドを届けたいか」という点が曖昧なまま、不特定多数へ向けてブランディング戦略を立てようとしても効果は限定的です。例えば、20~30代の働く独身女性をターゲットにしたい商品なのに、10~20代の男女に向けた販促活動をしてしまうと、10代の女性や10~20代の男性に対するPRで余計なコストを使ってしまい、反対に30代の女性という本命ターゲットを取りこぼすことになります。
こうしたターゲット層のズレをなくすために有効なのが「ペルソナ」の作成です。ペルソナとは、その商品やサービスを利用する理想のユーザー像のことです。例えば、「20代の働く男性」をターゲットに、原料にこだわった缶コーヒーを発売する場合、その商品を売り込みたい架空の人物を具体的に設定します。
まず、プロフィールをしっかり決めましょう。性別・年齢・住んでいる地域、趣味嗜好をはじめ、具体的な職業や肩書、年収、家族構成、休日の過ごし方、恋人の有無、よく遊びに行く場所、仕事や恋愛に対する価値観、よく見るテレビ番組のジャンルやSNSの使用頻度などを細かく設定します。
ペルソナにリアリティを持たせることで、「この人ならどう思うか?」「どういう商品なら喜んでくれるか?」ということを具体的に想像できるようになり、ターゲットがどんなブランド・サービスを求めているかを追求しやすくなります。また、社内でもターゲットのイメージを共有しやすく、共通認識を持ってブランディング戦略に取り組むことができます。
市場をセグメント分け(細分化)することで、顧客に対する理解が深まります。商品やサービスは、その価値を理解してくれる層に絞って販売することが大切です。セグメンテーションの例としては、消費者の性別・年代・ライフステージで分ける「Demographics」という方法や、消費者の価値観・ライフスタイルによって細分化する「VALS(Values and Life Styles)」という方法があります。
例えば、自宅で使う「テーブル」に対する価値観は、人によって異なります。「安いものでいい、中古で買ってもいい」という人がいれば、「素材にこだわったものを買いたい」という人、「デザインがおしゃれなものがいい」という人、「機能性を重視したい」という人もいます。天然素材で作ったこだわりのテーブルも、「安いものや中古でいい」と考える人にとっては、その価値を正しく理解してもらうことは難しいでしょう。セグメンテーションを行うことで、自社製品やサービスの立ち位置、市場規模などをつかみ、本当に必要としてくれる層に的を絞ることができます。
この「ブランドコミュニケーション講座」は、「ブランド戦略の基礎」から「ブランドをコミュニケーション戦略に落とし込む方法」「ブランドを表現する全体のプロモーション展開」のスキルを1日で学べるようになっています。本講座の受講対象となる方をご紹介します。
「ブランド」と「ブランディング」は、言葉は似ていますが意味は違います。
企業のマーケティング担当者の方はもちろん、宣伝・広報担当者、ブランドマネージャーになって間もない方、広告関連会社のプランナーの方、ブランディング戦略に関する知識を基礎から身に付けたいという方におすすめです。
ブランディング戦略の経験や知識がない方にとっては、「ブランドとは?」「ブランディングとは?」という根幹を理解し、認識を深めることが必要です。講座の内容が身に付けば、具体的に「自社ブランドのファンをつくる」という方向へ進むことができるでしょう。
すでにブランディング戦略に取り組んではいるものの、なかなか成果が出ないという方もいるでしょう。「ファンはついているが、上手く活用できていない」「競合に対して自社ブランドの優位性を確保できていない」「従来のブランディング手法に限界を感じている」といった悩みを抱えている方にも、本講座の受講をおすすめします。
時間 | 講義内容 |
第1部(145分) | ブランド戦略の基礎
・ブランドとブランドコミュニケーションの意義 ・ブランド戦略とは/成功例と失敗例 ・教科書に載っていないブランド戦略の落とし穴 |
第2部(110分) | ブランドをコミュニケーション戦略に落とし込む
・ブランドの5条件 ・クリエイティブとブランドの関係 ・リ・ブランディングによるブランドの再定義と事例 ・インサイトの捉え方 ・ブランドコミュニケーションの設計法と実践 ・ブランドを浸透させるために |
第3部(90分) | 実務家の視点で行うブランドコミュニケーション
・実務家が押さえておくべきブランドづくりの課題 ・目的と定義、方法論を見直す ・在りたいブランドの定め方 ・ブランドの土台作り ・存在価値と存在意義 ・ブランドのづくりの実践法 |
森門 教尊氏
株式会社博報堂コンサルティング パートナー
溝口 俊哉氏
ロクビー
クリエイティブディレクター
片山 義丈氏
ダイキン工業株式会社
総務部広告宣伝グループ長 部長
宣伝会議の教育講座には、受講形式が複数あります。ご都合に合わせてお選びください。
※それぞれカリキュラム、講師情報などが異なる場合がございます。あらかじめご了承ください。
オンデマンド配信講座
開講日 |
2022年03月03日(木)~開講
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定 員 | 無し |
開催場所 | 【実施上の注意】 本講義は、オンライン配信講義となります。 【受講上のご案内】 ・講義は宣伝会議オンライン上でご視聴いただきます。 該当期間内に宣伝会議マイページの「オンライン講座を見る」に進み、動画をご視聴ください ・視聴の際は、申込者ではなく実際に受講される方のマイページ登録が必須となります。 ・本講義には質疑応答はございません。 【レジュメについて】 講義資料はご視聴頂くマイページからPDF形式でダウンロードしていただきます。 |
受講価格 |
39,000円(税込 42,900円) ※申込金5,000円(税込 5,500円)を含みます |
注意事項 |
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