事業開発・起業支援のプロは、なぜコピーを学ぶのか

信用金庫
新規事業・事業開発・起業支援担当
西郷 鎮廣 氏

―オンデマンド版コピーライティング講座を受講された動機を教えてください。 私は信用金庫で、新規事業や事業開発、起業の支援を担当しています。顧客の事業を大きくするためには、その企業としてのあるべき姿、「事業構想」が必要になりますが、事業構想は構想計画だけでは足りず社会実装させることこそが重要です。そのためには、構想を事業に関係するあらゆる人々に言葉として伝え、価値を感じてもらう必要があります。そのため、(構想を社会実装するためには、)言語化のプロであるコピーライターの思考法が事業開発に役に立つと感じたため受講しました。

コピーライターは「言葉の人」ではなく「発見の人」だった

―それでは順に質問をさせて頂きます。まず、コピーライターの思考法が事業開発に役に立つと感じられたのは、どのような経緯からでしょうか? 実は、オンデマンド版コピーライティング講座を受講する前に、事業構想大学院大学に通っていました。そこで講師としてコピーライターの方が複数登壇をされていたことが、コピーライターとの出会いでした。講義や中間発表などで身近に接していると、コピーライターとは単に「言葉を書く」という仕事ではなく、多角的な視点を使って、新しいニーズを「発見」していることに気づきました。そのコピーライターから指導を受けたり、発見の体験をしたことで依頼主の事業の広げ方にも新しい方法があることに気づきました。

事業構想大学院大学に通っていた時の西郷氏


事業開発や起業支援を携わっていると、改善や積みあげ思考では限界を感じる場面が多く出てきます。その現状にずっともやもやしており、改善ではない方法で何か支援の幅を広げることができないか、常に考え悩んでいました。 そういった中で、コピーライターの持つ技術、新しいニーズや切り口を発見する力で、突破口を「開発」する思考法は、まさに事業開発・起業支援にも応用できるところがありました。 その影響もあり、大学院修了後はコピーライターの思考法をより詳しく知りたいと思い、通学形式のコピーライター養成講座基礎コースに通いました。

思考法の「軸」を作るために
オンデマンド版コピーライティング講座を受講

―通学形式のコピーライター養成講座に通われた後に、オンデマンド版コピーライティング講座をご受講された理由は? 「型」が学べるということだったので受講しました。通学形式のコピーライター養成講座は、様々な講師から講義を受ける形式なので、皆さんそれぞれのアプローチでコピーライターの思考法を教えてもらいました。発見や新しい切り口に至るまでの色々な方法を知ることが出来て魅力的だったのですが、自分の業務でフレームワークとして発見の力をアウトプットしていくには、もう少し思考法に関して軸のような講義が欲しいと感じていました。そこで、オンデマンド版コピーライティング講座では、『一つのコピープラットフォームをもとに「型」を身に着ける』ということで、軸となる一つの考え方を深く磨けると思い受講しました。

課題に取り組む際は、講義レジュメを手元に置き、見返しながら取り組む。

―実際にご受講されて、「型」は身に付きましたか? 半年間、一つの考え方を学びながら、じわじわと難易度が上がっていく課題に取組む中で、「基本(型)は繰り返すことで身に付く」ということを改めて実感しました。講座を進める中で、視点をずらしたり、言葉をチューニングしたりするのは、センスではなく思考技術だと考えられるようになったことも大きいと思います。特に、視点をずらしてみることで、同じものでも違うものになる。このことを、講座を通じて繰り返し体験できたことは大きいですね。とはいえ、今、身に付けたのは、すべての受講生の「型」であって、私だけの「型」にはなっていません。これからも「考える」ことを繰り返して、私だけの「型」にしていきたいと思います。



コピーを書くための整理法をボードで実践する西郷氏。

―こちらの講座は添削も特徴ですが、添削はいかがでしたか? 採点期間が短い中で、こんなにしっかり添削してくれるんだ、と驚きました。以前受講した講座では、こんな添削がなかったので(笑)。正解・不正解ではなく、こうしたらいいよとかの道筋を示してくれるのは本当にありがたかったです。添削の言葉を理解することで、次の課題に、そのことを活かしながら考えられるという循環はすごくよかったです。


―ご受講中、お仕事とのバランスをとるために、どのように受講されていましたか? 朝は30分早く起きることと、夜は30分遅く寝ることを続けてました。急な仕事が入ることもあるので、とにかく前倒しで講座を視聴することを心掛けて実践してました。課題の期限については、期限から逆算して1日毎にスケジューリングして遅れがないようにしていました。


―ご受講されてからの変化などはありますか? コピーライターの思考法の軸を学んだことで、事象から「ファクト・メリット・ベネフィット」や「何を言うか、どう言うか」などの視点の整理が何事にも応用できるようになったので、事業支援をしているお客様のお話を素早く頭の中で整理できるようになりました。 また、お客様のお話をインプットした後も思考の中で視点を様々に変え、切り口を変えることができるようなったので、以前よりも短い時間で提供できるアウトプットの質を高めることができるようになったと思います。


―今後の展望などありましたら、教えてください。 事業開発は、発見が全てだと感じています。同じものでも、見方を変えればこんなに変わる、世の中にまだ出ていない試みや、見つかっていないニーズなど、探せていないだけで、ちゃんと発見すれば世の中に届くと思います。その発見する力と世の中に伝える力を学び続けてきましたので、そこを自分の仕事である事業開発へ活かしていきたいですね。