活動報告

第1回研究会

「ショッパーインサイトを捉えたモノが動くO2Oとは」

2013年4月18日に開催されました第1回OtoOマーケティング研究会の概要について、ご報告させていただきます。

学習院大学 経済学部経営学科 教授 上田 隆穂先生の総括から

~ O2O施策における店舗側の課題は? ~

今回、初回ということで、ボードメンバーであるそれぞれの企業が現在どのようにO2Oに取り組んでいるか、また向き合っているのかについて話を聞いた。
実施している企業、これから取り組もうとしている企業、それぞれ現状の課題の中から、店舗のO2Oの課題としては下記の課題・問題があることが分かった。

まず、O2O施策を実行するときに人がなかなか動いてくれないという組織論的な問題がある。
もう一つは、実施する場合、店頭で誰をキャスト化して、店頭のファン作りをすることにより、店舗のファンを増やして売上を拡大していくのか。さらに、キャスト化したスタッフなどの情報をオンラインに出して店頭への来店を図る場合、どのような問題が生じるのかを明らかにする課題がある。

そのほかにも、単体による実施のみではなく、どの企業と組んで実施するのかという企業の連携についても考える必要がある。
さらに1社だけでなく、他社と組んでグループでO2O施策を実施していく場合、そのやり方とともに、来店客の反応をどう整理すればよいのかということも課題になっていくと感じた。

それから人口に占める割合が年々大きくなるシニアへの対策は今、非常に重要になっているが、この層に対する有効な手段はまだまだ見つけきれていないのが現状。
モバイル端末を扱え、ネットに親しむシニア層が増えていくことを考えれば、O2O施策が、シニア層に対する有効な販促施策になりうるだろうが、現状の打開にいち早く取り組み、ノウハウをしっかり蓄積しておく必要があると考えている。

また、ヤマサさんが現在の実施例として発表した「アバタ―」をプレミアムとしたキャンペーンのように、商品そのものへの関与、つまり関心の度合いが低い層を取り込んで、今のうちに潜在意識の中に刷り込んでいき、将来的にロイヤルユーザーになってもらうというプロモーションの順序と施策についても考えるべきだろう。
関与の低い人に対して最初どういう対応をして、関与が高まっていくにつれて、どう対応を変えていけばいいのか。
こうした、やり方も考えていかなければいけないというのもO2Oの大きなポイントと考える。

良品計画さんが行った「ニット・ライク・コレクション」では、フェイスブック上で「いいね!」が押されると、実際の店舗において、木琴が奏でられるという仕掛けを行っていた。

ネット上での行動が店舗で目に見える形で表現されることについて、ほかにどのような方法があるのか、ということも今後事例とその後のディスカッションを通じて深めていきたい。

O2Oの可能性は大きいと思っている。実施した事例を分析するというのも非常に大事だが、演繹的に考えて、仮説を作り、まず実験をしてみるということも重要。この「実験の場」をどこでつくっていくのかということも課題だろう。

最後に、O2Oについては、上記に挙げたような課題への取り組みをいかに組織のトップに理解してもらい、推進していくのか。
それが何よりも大きな問題になっていることが、ディスカッションを通じてよく分かった。
今後の事例研究においては、実施企業がどうそこをクリアして行ったのかということも含め、メーカー、流通双方にとって有効なO2Oの進め方を考えていきたいと思う。

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