活動報告

第2回研究会

「広告からマーケティング・コンテンツへ」

2013年9月12日に開催されました、第ニ回「共創関係をつくるマーケティング研究会」の概要について
ご報告させていただきます。

第ニ回研究会の主な内容

テーマ:「東海地域における共創関係をつくるには」
石垣 智徳 氏 (南山大学 大学院ビジネス研究科 教授)

テーマ:「デジタルコンテンツで顧客とつながる(ポカリスエットFacebookページ等を事例に)。」
梅田 亮 氏 (大広デジタルソリューション局 第1プロデュースセンター プロデューサー)

テーマ:『共通ポイントサービス「Tポイント」の会員データ分析によるマーケティング』
横江 正治 氏 (カルチュア・コンビニエンス・クラブ DBマーケティング事業本部 営業本部 マーケティング・ソリューション部 メディア営業ユニット ユニット長)

石垣先生の総括から

~ 特別講演『東海地域における共創関係をつくるには』より ~

今回は最新の研究結果とともに、マーケティング研究の分野に起こっている変化について解説しました。

 「商品購買時のクロス効果」については、「現実に商品に触れることはネットでの購買に影響」します。これは楽天の百貨店で行った物産展施策で分かったことですが、ネット限定商品を現実に出展した場合、商品に感じる知覚リスク(決済・信用・商品についてのリスク)は低減されました。

しかし、知覚リスクは商品の特性によって異なります。たとえば「本」の場合は、ネット上でも試読が可能で、著者名や誌名などの情報から品質確認が簡単にできます。店頭での購買と、ネットでの購買との間にそれほどの差はありません。これが「食品」となると、ネットでは試すことができません。また、賞味期限があるため返品が難しい。ゆえにリアルで触れられることに大きな意味があります。

その他にも「リピート購入があるかどうか」など、商品特性によって施策の効果は変わってきます。単純にネットとリアルを織り交ぜるのではなく、商品特性に沿った施策を行うことが重要といえます。

次に、「スーパーマーケットでのID-POS分析」による事例を紹介しましょう。

ID-POSが普及し、従来よりも細かい顧客情報を大量に得られるようになり「顧客の購買行動」の相対的評価が可能になりました。これを絶対的評価である「売上高」と組み合わせることで、曜日や販売エリア・プロモーションの効果など、新たな知見がもたらされます。たとえば「卵の特売」による価格プロモーション。これを相対評価と合わせてみたところ、「一時的に売上を増加させるものの、顧客の来店頻度はむしろ減少する」という結果が出ました。

地区ごとの顧客データ・性別や職業のデータ・プロモーションの結果・施策のデータ。さらにはレビューや「こういうものも買っていますよ」という隣接したデータ。こういった細かい情報が大量に手に入る時代には、これらを複合して連携させたプロモーションが重要になります。

上記の事例を鑑みて、今後必要とされるのは「情報のデータベース化」と「連携できる場の構築」です。

データベースを構築するためには、情報の電子化技術が役立ちます。情報を圧縮することで、同業他社とのデータ流通が可能になるでしょう。また、従来よりも購買行動の図式が複雑なため、異業種のデータが有用になる場面もあると思います。さらに、データベースの利用・発展をうながすためのプラットフォーム組織も必要です。これには大学や研究所などの活用や「JASMAC」のような学術団体との連携が大切になってくると思います。

民間でも、これらの趣旨に賛同してくれる方が多く、「連携強化の動きが進む」との情報がありました。今後は東京だけでなく、中部においてもこういった活動を行っていきたいと考えています。

~ 大広デジタルソリューション局の事例紹介より ~

大広デジタルソリューション局からは「顧客につながるデジタルコンテンツ」の事例を紹介しました。

いまや、ユーザーにとってその情報が「広告であるか広告でないか」は関係なく、ユーザーはたとえば「面白いか面白くないか」「使える情報かどうか」などで判断しています。ゆえに「広告で企業情報を伝える」だけではなくて「ユーザーと共有できるコンテンツを作り、それを介してコミュニケーションする」というスタンスも必要だと考えます。

話題化のためのコンテンツも、企業の提供する商品・サービスの一部だと考えていますし、ネット通販なら(扱っている商品だけでなく)サイトでの体験も提供サービスの一部になりえる(なってしまう)と思います。このように、「プロモーションコンテンツと企業のサービスが分けられなくなってきている」のではないでしょうか。

また、共有できるコンテンツのひとつとして『ポカリIQチェック』などのFacebookの診断系アプリも行ったことがあり、それがきっかけとなりファンが集まりました。Facebookはファンがブランドについてどのように思っているかを知ること(ソーシャルリスニング)ができるため、中長期的に活用していく流れにあります。

外部メディアと連携した過去事例では、『POCARI SWEAT REQUEST-ON-LINE』があります。これはJ-WAVEとコラボしたポカリスエットの音楽リクエスト番組です。Facebookのクエスチョン機能(アンケート)から投票してもらい、結果に合わせて曲をランキング形式で流すというコンセプトで実施。ユーザーコメントや自由な曲リクエストも紹介しました。結果として、ファンの活性化やさらなるファンの増加に寄与しました。

「コンテンツと商品が分けられない」以上、ユーザーが自主的に参加したいと思えるような、楽しんでもらえたり便利に使ってもらえたりするコンテンツを制作することが、これからのマーケティングにおいて重要だと思います。

~ カルチュア・コンビニエンス・クラブの事例紹介より ~

カルチュア・コンビニエンス・クラブには『Tポイント』データの活用例について発表いただきました。

『Tカード』とは、一枚のカードにいろいろな機能をまとめるために始まった共通ポイントカードです。レンタルやクレジット、共通ポイント「Tポイント」機能を集約して利便性を高めるために考案されました。原則100円につき1ポイント付与するプログラムに加えて個人情報とはひも付けていない「購買履歴データの収集」を行っており、ここから生まれた施策やマーケティングデータを「提携企業様に提供する」ことで新たな価値を発生させています。

Tポイントのシステムは様々な事例で利用されており、福利厚生として数万ポイントを付与するケースもあります。昨年からYahoo! JAPANと提携したので「ネットショッピングとリアルの購買行動」の関係性がわかるようになりました。

従来は「対象の顧客像」を設定して、それに沿うようにプロモーションするのが限界でした。しかし、データ分析の高度化によって、購買の関連性を見出して、それに近いプロファイルの人たちへアプローチするというプロモーションも可能になってきているのです。ただ、より精緻なアプローチができるようになったとしても、その人を行動させる部分においては、クリエイティブのチカラが必要であるとも感じています。そこがうまくいくと、さらに進化できると思っています。

~ 第ニ回研究会を通して 石垣先生の総括 ~

前回も含めていろいろと話を聞いた中で、やはり印象に残ったのは「マーケティングコンテンツの大切さ」です。学術的な立場として、私たちもその重要性を認識していましたが、「現場の考えや事例によって、実際はこのように動いているのか」と、認識が深まったことは大きいと感じました。

また、活用できるデータや手法の進化により、マーケティングは「現代的なマーケティング」と「オールドファッションのマーケティング」に分かれつつあります。しかし、どちらにおいても「コンテンツがしっかりしているかどうかが大切」と再確認できたのも収穫だと思います。

「Tポイントカードの活用例」についても、多くの気付きがありました。私たちが考えていることを、すぐに実現・検証できてしまう仕組みがどんどん出てきている。もはや「発想した瞬間に結果が出てくる」、そんな時代になってきているように感じました。

しかし、どちらか一方ではなく、「人を揺さぶるコンテンツ」も「緻密な論理・手法」も、いずれも大切であるし、その両方を追求し、組み合わせていくことで、さらなる成果が得られるのだと思います。

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