トレンドの変化の速い世代に対応できている企業は少ない
今の10代(ティーンズ)は「スマホ世代」「Z世代」とも呼ばれ、これからの消費の中心となる世代として様々な企業から注目を集めています。その一方で、多くの担当者が、彼らに対して「価値観がわからない」「どうコミュニケーションをとればいいかわからない」と悩んでいます。社会を取り巻く環境が変化している中で、10代の消費行動や価値観も変化しています。また、トレンドの変化も速いため、10代向けのプロモーションを行う際、去年と同じ施策では成果が思うように出ない、ということも少なくありません。
10代へのアプローチのポイントは「特殊性」と「普遍性」を見極めること
10代にアプローチすることで、本人が発信者となり、保護者や友人など、その周囲への間接的なアプローチにもつながります。また、世代によってトレンドや価値観は異なりますが、購買プロセスの本質は従来と大きく変わりません。彼らのインサイトを理解したうえで、それに寄り添うアプローチができれば、認知の獲得、購買、さらにはファンになってもらえる可能性も高まります。そこで宣伝会議では、今どきの10代の心を動かすためのポイントを知り、プロモーションに活かすためのノウハウを学ぶ本講座を開講します。
女子高生からトレンドが生まれる理由は?
10代のインサイトとその活かし方
●「若者」のターゲティングでは、狙った成果が出にくい
若者と言っても、「高校生」と「大学生」では、消費行動やトレンドの広がり方が違います。大学生に比べて、高校生は使えるお金も限られ、コミュニティも学校が基本です。そして今の高校生は、生まれた時からスマートフォンがあり、物心ついた時には既にLINEやTwitterなどの主要プラットフォームが存在していた世代です。人とすぐにつながれる、他人に見られているのが当たり前の環境の中で、コミュニティに合わせて「自己ブランディング」する高校生も多いのが特徴です。このような「若者」で一括りにできない10代の価値観や特徴を理解したうえでターゲティングをすることが、10代向けの施策で成果を出すための前提条件となります。
●「今の10代ならでは」が、何を指しているのかを明らかにする
今の10代の価値観が分からない...と悩む担当者は多いです。しかし、「情報を集め、検討し、購入する」というプロセスが大きく変化したわけではありません。他の世代と比べ、今の何が変化したのかを理解できれば、コミュニケーションをとる際に気を付けるべきポイントが明らかになってきます。そこで講義では、今の10代の価値観や消費行動における「特殊性」と「普遍性」を整理し、これからのコミュニケーションに落とし込むためのポイントを学びます。
情報は「受けるもの」ではなく「発信するもの」
10代の熱量を高めるメディアプランニング
●なぜSNSを使うのか?から考える
10代へのアプローチは、SNSが欠かせません。そのため「若者=SNS」が先行するあまり、「Instagramで何か投稿したい」「TikTokでバズらせたい」といった、ツール先行の施策になってしまうこともあります。しかし、今の10代は、一つのメディアやプラットフォームにこだわっていません。アカウントを複数使って、「自分が面白いと思うコンテンツ」の情報を収集、発信しています。そのため、目的によっては、実はリアルイベントなどの施策のほうが効果的な場合もあるのです。彼らが何の目的で、どのようにSNSを使っているのかを理解したうえで、文脈に合わせたメディアプランニングを行う必要があります。
●「共感」を共有できる施策を考える
10代に対するアプローチのポイントは「共感」です。自分の趣味や面白いと思うことを、みんなと共感したいという思いがあります。企業が施策を考える際、「共感」を共有できるコンテンツを設計できれば、エンゲージを高めることができます。講義では、実際のキャンペーン事例などから、スマホ世代の心をつかむコンテンツ設計のポイントについて学びます。
「共有したい」気持ちをくすぐる
中高生向けプロモーションとクリエイティブ
●カルチャーをリスペクトし、カルチャーにまみれる
実際に10代、特に中高生へアプローチする際のポイントは、中高生の「カルチャー」を尊重することです。彼らのコミュニティはそれぞれ独自の世界観があります。その世界観と合わない広告やプロモーションでは、内容を見てもらえないどころか、中高生に「自分の世界観を壊された」と思われてしまいます。中高生の心をつかみ、「共有したい」「使ってみたい」「参加したい」と感じてもらうには、中高生の属するコミュニティの世界観とマッチしたクリエイティブをいかに作れるかがポイントになります。
●中長期的なプロモーションで「共感」を高める
中高生へのアプローチにおいて、単発のコミュニケーションで終わらせないことも重要なポイントです。例えば、動画のキャンペーン企画で、単発の動画で話題を作ろうとするのは難しく、狙った成果を出せないまま終わってしまうことも多いです。このような場合、共通した「ストーリー」のある動画を複数回にわたって展開する方法が効果的です。なぜなら、中高生との接点を複数作るだけでなく、ストーリーを通して「共感」してもらえれば、購買だけに終わらず、ファンになってもらうことも可能だからです。本講義では、実際のメディア横断型キャンペーン事例を基に、中高生の心をつかむプロモーション設計やクリエイティブのポイントを学びます。
時間 | 講義内容 |
10:00-11:30 |
なぜ、世間の話題は女子高生から生まれるのか 中高生の消費行動をつかむ ・女子高生発トレンドが生まれる理由 ・現代の中高生の特徴、「若者」と「中高生」の違い ・複数の顔を使い分ける中高生コミュニティの分析 ・消費行動の総ざらい中高生のお金/時間の使い方 ・中高生と企業がタッチポイントを作るには ・中高生ターゲットのプロモーション事例 |
12:30-14:30 |
ティーンズの熱量を上げるSNS起点のメディアプランニング ・企業が中高生にアプローチするための3ステップ ・SNSで「文脈」を作る ・「応援型」のプロモーションでコミュニティを活かす ・ストーリー性のあるコンテンツで共感を得る ・リアルな場が「メディア」になるプロモーション ・プラットフォームごとのプロモーション設計と企業事例 |
14:50-16:50 |
中高生の心をつかむクリエイティブ・ディレクション ・中高生のなかの、どの層に届けたいのか ・カルチャーをリスペクトし、カルチャーにまみれる ・アプリ単位での文化、コミュニティ単位での文化、年代単位での文化 ・スピードについていくための、走りながら考える柔軟性 ・成功事例にみる、普遍的なルールと流動的なティップス ・認知→興味→購買→参加→そしてファンコミュニティへ |
丸山 紘史氏
ALL BLUE
CCO/取締役
鳴海 まい氏
トライバルメディアハウス
Spark! 所長
シニアプロデューサー
眞鍋 亮平氏
電通
クリエーティブ・ディレクター