従来の住宅・不動産市場での売上形成は、市場にいかに多くの物件を供給し、そして、いかに多く販売するか、の勝負が展開されてきました。しかし、その販売の方程式が構造的な要因により崩れつつあります。
例えば、売上を支える一大転機となっている結婚や出産といった家族構成が大きく変わるタイミングでの物件購入の検討は、単独世帯の増加により、そのボリュームが暫時失われつつあります。買い手の減少がマーケットに与える影響は次第に大きくなっていきます。また、新型コロナの影響により、デジタル上での検討が一般化した中では、検討される会社とそうでない会社を2つに分断する結果となりました。
これら変化に対応するためには、顧客に選ばれるためのブランドマーケティングの手法が必要となり、1企業に1名はこの役割を担える人材の育成が急務となっております。これにより、競合がひしめく住宅・不動産市場の中で、従来の立地やスペックのみの訴求から抜け出し、「顧客のどのような課題を解決する企業であるのか」を、明確に伝えることができれば、中長期で安定的な売上を達成することができます。
そこで、自社ブランド確立のための方法論と、社内でブラディングを推進していくために、どのようなアプローチを取っていくべきなのか、その手順を本講義で集中的に学びます。
ブランドとして伝えるべきことを学ぶ
ブランドマネージャーに最も必要なのは、自社と競合を単にマッピングができることではなく、市場=顧客目線で、どのように位置づけられているのか、をバイアスなく把握し、どこを目指すべきなのか、を指し示す力です。つまり、社内の中で誰よりも、自社の正確な位置関係を把握した上で、今のブランドの方向で通用するのか、判断できる力が必要となります。この能力がベースにあれば、競合との細かい点での差別化に走ることなく、自社の優位性を築く力となります。そこで、本講義では何をブランドとして伝えることが、これからの生き残りでは必要なのか、その考え方を学びます。
ブランド形成のための社内アプローチ
住宅不動産業界は業界の慣習で、どうしても短期での販売実績が社内を活気づかせるために、営業部門の力が非常に強いといえます。しかし、営業部員の存在が強ければ強いほど、ブランドが後回しにされ、競合との差別化がほとんど図られていない状況が生まれます。結果的に、営業が届かない領域でメーカーの検討がなされる領域(デジタル上での検討・比較)では極端な弱さを露呈することになります。そこで社内を横断したブランド構築を行い、部門ごとに強さを繋げることができれば、組織としての強さに変換することができます。結果、「検討→成約」までを一気通貫で貫く力になり、“選ばる住宅メーカー”へと存在感を上げることができます。そのための社内アプローチの方法を学びます。
広告クリエイティブの引き込み
物件の一番の顔となる広告においても、明確な考え方が必要です。なぜなら、住宅のスペックは簡単に他社にも真似できるため、そのブランドが体現する“暮らし”を広告へ明確に繋ぎ込み、他社との差別化を図っていく必要があります。しかし、ブランド名を伏せられると、どのメーカーの広告であるのかが一気に不明瞭になってしまうもの、を作るのではなく、明確なメッセージ「誰の・何を・どう変える住宅」であるのか、そのメーカーは自社であることを、ブランドを通じて市場に浸透させる必要があります。そのためのブランドからの広告への引き込み事例を学びます。
時間 | 講義内容 |
1部 90分 |
住宅・不動産企業のブランド構築のすべて
環境変化によって求められるブランド力 ・人口減少により「量の拡大」から「質の充足」へ ・コロナによって住まいは熱いコンテンツに ・デジタルシフトで求められるブランドコミュニケーション そもそもブランドとは何か ・ブランドの定義とブランド認知のあり方 ・ブランドのゴールとは ブランド構築の考え方 ・ブランドは意図して育成するもの ・ブランド階層(企業/事業/商品) ・ブランドが出来上がる構造 ・ブラディングは活動である ・ブランディングは仕組みである ブランディングの3つのステップ【実践編】 ・価値を明らかにする ・共感をカタチにする ・分かり易く伝える |
2部 60分 |
急成長を支えたマーケティングとブランド戦略
・市場での自社ポジショニングと伝えるべきブランドとは ・会社の力とコロナ禍で通用するマーケットイン発想/成長を支える3要素 ・ブランド形成へのアプローチ手法(Web、CM、PR) ・社内アプローチ手法 |
3部 60分 |
値引きせずに北海道着工頭数No1を実現したブランディング戦略
・自社ブランドの形成の歴史 ・ブランド構築部門の存在 ・市場分類と自社の生き残り戦略構築の道のり ・インナーブランディング ・広告クリエイティブの引き込み ・デジタル施策とブランディング ・まとめ |
山田 真澄氏
UNIIDEO株式会社(ユニィディオ)代表取締役
経営学研究科修士課程修了
一般社団法人ビーイング・バリュー協会理事
亀井 孝典氏
株式会社ロゴスホーム
ブランディング室 室長
加藤 勤之氏
株式会社オープンハウス
社長室 室長 兼 総合推進本部長 広報宣伝部長 兼 事業開発部長
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