DM、メルマガ、キャンペーン、Web広告、SNS、アプリなど、施策と予算は大きく変えられないのに、高い目標の達成を求められている方へ。
単発的な施策での刈り取りから、中長期的な成功へ「顧客中心」のダイレクトマーケティングを実行するための講座です。
ダイレクトマーケティングは多くの企業が取り組む時代に
「ダイレクトマーケティング」と言えば、以前は通販企業が行う手法でした。しかし、消費者が情報を直接収集するようになり、マス広告を中心とした認知による新規獲得モデルが難しくなった今、企業と消費者が直接接点を持つダイレクトマーケティングの考え方は特別なものではなくなっています。特にWebでのアプローチは、ダイレクトに顧客と接するため、もはやあらゆる企業がダイレクトマーケティングと意識することなく取り組んでいます。
「数値」ではなく「人」を見る顧客とつながるダイレクトマーケティングへ
新規獲得が難しくなっている中、既存顧客に対してリピートを促す戦略が必須です。しかし、「優良顧客に対するアプローチがうまくできていない」という企業も多いです。その原因の一つに、なぜこの商品を購入したのかという顧客のニーズを把握できていないことが挙げられます。数字はもちろんですが、その改善には数字に見えない顧客のインサイトに注目することも重要です。そこで本講座では、これからのダイレクトマーケティングにおける「顧客と継続的な関係をつくる」考え方と手法を学びます。
ダイレクトマーケティングとは、的確に絞り込んだ顧客との直接的なコミュニケーションを通じ、相手のニーズに合ったプロモーションをさまざまなメディアを通して展開していく手法です。
商品(サービス)に興味のない人もターゲットになってしまうマスマーケティングとは違い、商品(サービス)に対して興味を持つ見込み客をターゲットとしているため、直接アプローチすることで、高い費用対効果を得ることができます。
見込み客についてのデータを計測、収集、蓄積していくこともダイレクトマーケティングの特徴であり、CRM(顧客管理)やデータベースマーケティングなどの基になる大きな概念でもあります。
また、もともと自社商品に関心のある顧客が対象であることから、顧客との関係性を築いた後に新しいサービスを提供し、そのレスポンスを見るといったテストを簡単に行うことができます。さらに、効果測定がしやすく、顧客に関するすべての数字を把握し、追跡・分析することができるので、PDCAサイクルを回しながら効果的な戦略や施策を容易に考えられる点もメリットです。
これまでのダイレクトマーケティングは、通販のように、小売店などに商品を通さずメーカー側が直接顧客に対して販売する手法を主軸として発展してきました。通販であれば「資料請求や問い合わせなどレスポンスのあった人」というように購入可能性のある顧客のみにアプローチをかけることができます。その半面、このような直接的なアプローチを「セールス色が強い」と嫌う人もいて、これまでは通販のみで行われる手法と誤って認識されてきました。しかし、ダイレクトマーケティングは顧客からのレスポンスを得ることが主な目的であり、上記のようなメリットから、現在では金融やメーカーなど、ほぼすべてのビジネスで活用されています。
ダイレクトマーケティングの主な流れについてご説明します。
集客
まず自社の顧客となり得る見込み客を探すところから始まります。ダイレクトマーケティングはレスポンスを得ることが主な目的であり、ターゲットを的確に選ぶことが重要です。マスマーケティングのように、ターゲットを特定せず、不特定多数の顧客へアプローチするとコストが無駄になるだけでなく、成果も上がりません。
主な手法としてはネット広告、SNS、カタログ通販、テレアポ、訪問販売などがあります。
クロージング
クロージングは顧客からの受注を獲得、契約を結ぶためのアクションです。クロージングを行うためには、「ターゲットの選定→提案→レスポンス→見積もり提示→購入」というような一連のプロセスをたどり、最終的な受注・契約に結びつけます。受注・契約を獲得することを「コンバージョン」といいます。なかには「資料請求」や「お問い合わせ」などをもってコンバージョンとするところもあります。
しかし、時には顧客獲得に失敗してしまうケースもあります。そういう場合によくあるのは、一度のアプローチで終わりにしてしまうことです。たとえ新規顧客の獲得に失敗しても、メルマガへ登録してもらう、メールアドレスや電話番号を残してもらうなど、必ずこちらから連絡ができる状態を確保することが大切です。
商品への問い合わせや資料請求があったということは、商品に対する何らかの興味を持っており、それが満たされていないニーズがある可能性が高いと考えられます。メルマガなどを活用し、見込み客の満たされていないニーズを探った上で、別の角度から再度アプローチしたり、新たな商品を提案するなど工夫をすることで、コンバージョンにつながりやすくなります。
顧客のフォロー
人には接触頻度が多いほど好感度が増すという傾向があります。これは「単純接触効果」「ザイアンスの法則」と呼ばれるものです。顧客に対して定期的なフォローを行い、接触頻度を高めることは顧客の信頼性を獲得・継続する上で大切なポイントです。関係性を築けると、新たな商品の提案や契約にも結びつきやすくなります。具体的にはDM配布やメルマガ、SNSなどを活用して情報提供を行い、顧客離れを防ぎましょう。ただし、一日数回に及ぶ過度の接触は、逆に反感を持たれてしまう可能性がありますので、「ステップメール」を活用するなど、適切な間隔をあけることを心掛けましょう。
オンラインとオフラインの施策を組み合わせて効果を最大化するためにデジタル時代のダイレクトマーケティングの全体像を理解する
自社にとってどの手法が最適かを確かめるには、まずは全体像を再確認する必要があります。オンライン施策が多くなった今でも、オフライン施策の効果は大きな割合を占めています。例えば、スマホ世代の若年層にとって、自分宛ての紙DMは新鮮で特別感があり、その企業やサービスに好感を持ちます。普段はSNSやメルマガで接点を作り、タイミングを見てDMを打つ、と言ったオンラインとオフラインの組み合わせを行うことで、成果を上げることが可能です。講義では、デジタル時代のダイレクトマーケティングの全体像を俯瞰し、自社の現状と照らし合わせ、自社に適した具体策を投じることができるようにします。
「獲得」から「リピート」に
データの向こうにいる「人」を見る
一度商品購入まで至ったにもかかわらず、それがリピートに繋がらないというケースは多いです。その原因の一つに、新規獲得数や新規売上の数字ばかりを注視してしまっていることが挙げられます。最近はネット広告でも新規獲得のコストが高騰しており、1回の購入だけではコストが回収できないことがほとんどです。成長している企業ほど、早くから顧客維持(CRM)のためのコミュニケーションに注力しています。様々なニーズを持つ顧客に対して同じ施策を打つのではなく、それぞれのニーズに合わせて変えることでリピート率が高まります。講義では、刈り取り型から脱し、リピーター育成のためにできる施策のポイントを学びます。
LTVを最大化する「パーソナライズ」
施策・媒体ごとの特性を理解し、顧客に合わせて施策を打つ
「人」に着目し、個々に最適な内容とタイミングで購入を促すことが、LTV(顧客生涯価値)の向上につながります。その実践には、「施策・媒体ごとの特性を理解すること」、「顧客の購買までの流れを把握すること」の2つが必要です。顧客行動を把握する際、「商品を買ってくれた」、「バナーを踏んでくれた」などの目に見えるリアクションだけではなく、そのアクションの前後にもさまざまな行動や思考の変化があります。その変化をつかみ、媒体やタイミングを合わせて提案をすることで、クロスセル・アップセルの成果が出やすくなります。講義では、実際の事例を踏まえながら、「顧客体験」を創出するための考え方を学びます。
時間 | 講義内容 |
10:00-12:00 |
デジタル時代のダイレクトマーケティング概論 ・ダイレクトマーケティングの全体像を俯瞰する ・新規顧客獲得戦術 ・投資としての広告:レスポンスマネジメントによるROIの最適化 ・CRMとは ・データ分析:事業構造、 ・自社顧客を理解する方法 ・顧客維持戦術 ・LTVの最大化:ロイヤル顧客育成プログラム ・オンオフ統合マーケティングの必要性 ・オムニチャネルリテイリングの未来像:業種のカテゴリーを超えて |
13:00-15:00 |
「顧客基点」で考える企画立案から効果検証まで ・ダイレクトマーケティングで「顧客体験」をつくる ・ターゲットの設定 ・顧客の欲しいタイミングを知る ・データを活用して「人」を捉える ・企画立案から効果検証までPDCAを回す ・受け取り手の視点で解析/検証するクリエイティブ改善手法 ・ダイレクトコミュニケーション事例から学ぶレスポンスUPのヒント |
15:20-16:50 |
ダイレクトマーケティングにおけるデジタル活用とアナログの真価 ・デジタル全盛の時代を正しく捉えるために ・UXからCX(カスタマーエクスペリエンス)へ ・目から鱗の商品特性を活かしたダイレクトマーケティング ・デジタルソリューション活用の極意 ・WEB×紙の最新事例紙のDX ・イノベーションを起こす組織運用 |
米村 俊明氏
電通ダイレクトマーケティング
取締役
吉川 景博氏
フュージョン 営業グループ
エグゼクティブマーケティングディレクター
石川 森生氏
ディノスセシール
CECO