Project
Overview
本ラボについて
広告の新しいあり方が模索される中、消費者の体験を邪魔せずブランド価値向上につなげられる施策が求められています。
そこでこの度、宣伝会議とSpotifyは、「音声で伝える新しいブランドコミュニケーション」をテーマに「デジタル音声広告クリエイティブラボ」を立ち上げ、デジタル音声広告の可能性を探る共創型プロジェクトを実施いたしました。
本ラボにより生まれた音声クリエイティブをご紹介いたします。
Lab Members ラボメンバー
Client オーディオアドへの関心が高いブランド3社が参画
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モンデリーズ・ジャパンクリエイティブを聴くテーマ
若年層に向け「ガムを噛む理由」を創造する
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レクサス
Coming Soon
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出光昭和シェルクリエイティブを聴くテーマ
アグリバイオ事業の家畜用飼料添加剤をテーマに、非エネルギー事業も行っている企業であることを伝える。
Fellow オーディオアドおよびフィールドを広げるフェロー5社が参画
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株式会社 大日
テレビCM、ラジオCM、企業VP、WEB動画などの映像・音声コンテンツの企画・制作会社です。
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株式会社フラッグ
映像・Web制作、PRプロモーションを行う会社です。
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ノースショア株式会社
クリエイター、プロデューサー、ストラテジスト、エンジニアが縦横無尽なチームを編成し、幅広いクリエイティブを提案しています。
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株式会社 Candee
動画・番組制作からキャスティング、PRまでワンストップで、最高のソリューションをご提供するデジタルマーケティング集団です。
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株式会社 オフィスニート
年間1,000本以上の実績を持つキャスティング会社。ウェビナーやプライベートショーなどにおけるMC、ナレーター等をコーディネートしています。
Platform 無料ユーザー世界1億7,000万人の音楽プラットフォームサービス Spotifyが広告枠を提供
AudioAd Creative 本ラボにより生まれた音声クリエイティブ
モンデリーズ・ジャパン
- テーマ
- 若年層に向け「ガムを噛む理由」を創造する
- 課題感・期待すること
- 若年層へ向け、“ガムを噛む理由”を創造する。
そのうえで、若年層へリーチできる媒体、そしてパッションポイント(スポーツや音楽など)を活用する。
ラボメンバーインタビュー
モンデリーズ・ジャパン
森 繁弘 氏
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事前にデジタル音声広告についてどのような印象をお持ちでしたか?本ラボにご期待されていたことと合わせて教えてください。
音声広告=ラジオ、ムービーと比べ音声だけなのでブランドのイメージが届けづらいのではという印象があった。
ただし、Spotify様のオーディエンスや使用シーンがガムと似ていたこともあり、特定のターゲット層に対してパーソナライゼーションを行える場として非常に関心を持った。 -
クリエイティブを選ばれる際、何を決め手にされましたか?
消費者が音楽を聴く瞬間に寄り添いながらも、印象に残せるものを選んだ。
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実際に広告を配信した結果をどのように評価されていますか?
主要KPIに好意的な結果が出ており、特定のSpotify使用シーンに合わせ、適切にパーソナライズしたコンテンツを届けることで、しっかりと結果につながるということは評価できた。
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今回のラボに参加して得た気づきは何かありますか?
まずは普段慣れているムービーとは異なるクリエティブ制作の難しさを感じた(アテンションの取り方、ブランディングの仕方など)。ただ使用シーンが絞れるため、そのシーンに合わせて製品の魅力を伝えることができる魅力度が高い媒体だと思った。
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今後デジタル音声広告についてどのように活用していきたいか教えてください。
引き続き、若年層とコネクトしていくうえで、ガムの喫食シーンとも近しい媒体であり、かつパッションポイントと結び付けてガムの関与度を高めていける可能性を持っており、活用を積極的に検討していく。
大日
プロデューサー 鳥海 義輝 氏
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クライアントのオリエンを聞いて、どういうアプローチを意識しましたか?
若年層への購入意欲の向上として、ガムを噛む理由をどう定義してあげるのが、若年層の心に響くのかを考えました。
1つは、ガムの商品効果として、「息がさわやかになる」「リラックスできる」ということ。しかし、ただ爽やかになる、リラックスできるだけでは、一方的にシーンを描くだけなので、そこに共感性を持ってもらうために、音楽やスポーツのシーンを描いて、「REASON、WHY」を明確にすることで、「なるほど」と思わせることで、「自分ごと」に置き換えやすい設定を組むことを意識しました。 -
制作される際、どの点を工夫しましたか?デジタル音声広告ならではの工夫があれば教えてください。
今回、デジタル広告の媒体がSpotifyであることから、2つのアプローチを考えました。1つは「時間帯」。1つは「シーン」。どんなによいクリエーティブを考えても、ターゲットに聞いてもらえなければ効果が半減します。ですので、朝の通勤通学時間帯に流すことを前提としたクリエーティブを考えること。また、シーンを描くことで、ガムを噛むことの効果と、ガムを噛むことを「肯定してあげる」ことを目指しました。また、Spotifyは音楽に特化したコンテンツですので、音楽と間に入ってくるCMが、広告として「邪魔」にならないように、BGMや効果音の入り方や聞こえ方には注意をしました。
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実際に広告配信した結果を見て、どのような印象をお持ちでしょうか?
広告効果が出ているという点では、よかったと思いますが、非広告接触者の中で、「いまは噛んでいないし、今後も噛まない。」というターゲットに対して、どういう広告アプローチが考えられるのかを考えていく必要があると思いました。また、発見としては、音楽を聴くという行為やガムを噛むという、どちらかといえば嗜好性のあるものに興味がある人は、そもそも広告効果が高い傾向にあると思いました。おそらく、彼らに対しては、例えば車や旅行、ファッションなどへの関心も高い数値が得られるのではないかと感じました。物事に興味を持って生活や行動をしている人は、商品の必要性や関心を高められる訴求、アプローチが図れれば、購入意識の向上、実売に結びつけやすいのではないかと感じました。
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今後のデジタル音声広告について、広告を制作される側として可能性をどのように感じていますか?
これまでテレビやラジオCM、新聞、雑誌というマス媒体は、広く多くの人に同時に知らしめる「広告」として、その役割を果たしてきましたが、パソコンやスマートフォンに代表されるように、情報の流れがよりパーソナルになっていくでしょう。そのセグメントは、細かく設定され、個人に寄り添ったアプローチが必要になってくると思います。広告も、その人に合わせたコンテンツが配信され、トラフィックしやすく、アクセスしやすいものが求められると思います。デジタル広告においては、ビッグデータだけではなく、よりパーソナライズされた広告が求められ、アプローチの仕方ももっと多様化されていくと思います。単に1つのCMコンテンツを流すということではなく、1つのCMという枠の中に、その人に最適な商品やシーン、パターンを組み合わせた一人一人に合わせたパーソナル広告が配信されていく、という仕組みが出来ていくのではないかと思っています。
Spotify
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クライアントのオリエンを聞いて、Spotifyのどのような特徴が活かされると考えましたか?
若年層に「ガムを噛む理由」を創造するという課題に対して、ターゲティング層で合致する点、また、仕事中、勉強中、スポーツをする時間など、日常生活のモーメントの中で聴く音楽視聴の合間でのアプローチが出来る点で相性がよく、クリエイティブの可能性も感じました。
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配信結果を見て、どのように評価されていますでしょうか?その他の調査と比較して傾向や気づきがあれば教えてください。
「ステージ篇」「サッカー篇」ではガムの具体的な喫食シーンを描き、「ガムを噛むことはカッコイイ」を伝え、事後調査の「今後のガムを噛む」意向率では、接触者すべての年代で8割を超える高い結果となった。
一方で、「今は噛んでいないし今後も噛まない」というターゲットに対するアプローチが今後の課題。年代やシーンを明確にターゲティングできる媒体だからこそ、各年代に向けより振り切ったコンテンツ作りも必要だと分析できます。 -
今回の結果を元に、クライアント企業・クリエイティブ側の皆さんに伝えたいことは何ですか?
「アーティストの方が魂を込めて作っている音楽の合間で聴く音声広告。作りこまれたコンテンツは、受け手にとってもポジティブに受け止められたのではないかと思います。」「もともと、複数の素材でブランドのいろいろなアングルを伝えたほうがいいのではという仮説がありました。一人ひとりにパーソナライズするメディアなので、情報の伝え方も幅があった方が良い。そのことが今回、分かりやすい成果として得られました。」
大日による
音声クリエイティブ
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サッカー篇
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英語講座|眠る篇
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英語講座|走る篇
出光昭和シェル
- テーマ
- アグリバイオ事業の家畜用飼料添加剤をテーマに、非エネルギー事業も行っている企業であることを伝える。
- 課題感・期待すること
- 食に関心の高い層をターゲットとし、抗生物質に代わる天然系資材を原料とした畜産用飼料添加剤を開発・販売をし、食の安心、安全を考えている企業であることを伝える。
ラボメンバーインタビュー
出光昭和シェル
広報部 ブランド・コミュニケーション課
太田 知鶴 氏
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事前にデジタル音声広告についてどのような印象をお持ちでしたか?本ラボにご期待されていたことと合わせて教えてください。
新しいメディアで35才未満の利用者が半数以上を占め、若い層にCMを届けることができる。Spotifyの無料会員はCMを飛ばすことができなため、CMを全て聴いてCMの内容を理解して貰えるのではないかと期待していました。
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クリエイティブを選ばれる際、何を決め手にされましたか?
フラッグさんは、これまで音声広告を制作されたことがなく、従来の音声広告の手法にとらわれず、新しい目線で一緒に制作できると思い選ばせていただきました。
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実際に広告を配信した結果をどのように評価されていますか?
想定以上に広告接触者の好感度の高まりと、当社についてネットで検索するなどの行動喚起率が高かったことが良かったと感じています。
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今回のラボに参加して得た気づきは何かありますか?
BtoB向けの事業に関するテーマであったが、CMの演出方法により一般の方々にも受け入れらることが分かった。Spotifyのユーザーには、Webメディアの利用者が多いことが分かりました。
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今後デジタル音声広告についてどのように活用していきたいか教えてください。
若年層の利用者が多いため、リクルート対策を意識し、当社の非石油事業の取り組みなどを発信するために利用したい。SpotifyのユーザーはWebメディアの利用率が多く合わせて配信することで、CMの印象を残すことを考えていきたいと思います。
フラッグ
プロデューサー 福島 直樹 氏(左)
ディレクター 齋藤 竜也 氏(右)
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クライアントのオリエンを聞いて、どういうアプローチを意識しましたか?
D 齋藤)今回はデジタル音声広告の制作ということだったが、出光興産さまのオリエンでラジオCMも念頭においているとあり、さらに、既に有名なラジオCMを数多く制作されていることを普段から耳にしており知っていたので、出光興産さまが持つ既存のイメージからは大きく離れず、且つデジタル音声広告の強みを生かせるものを目指しました。
P 福島)「アグリバイオ事業」と聞いて、私自身?だったので、それをどうキャッチー/popにして、若い視聴者に興味を持ってもらえるかを意識しました。
また、一般の人が知らないワードが多いため、いかに注視される内容にするかどうかを考えました。 -
制作される際、どの点を工夫しましたか?デジタル音声広告ならではの工夫があれば教えてください。
D 齋藤)左から桃太郎勢が、そして右側からは鬼がやってきたり、調理の音が広がりながら音楽のリズムとシンクしたり、華やかなEDMを包み込むように家畜たちが揃って鳴きだしたり…。
ヘッドフォンで広告を聴いた人が「おっ」と思ってもらえるよう、収録やミキシングは結構凝って制作しています。実際、ナレーターの立ち位置までに拘って音声収録したのは初めてでした。内容に関しては、ちょっとくすりと笑ってしまうような出光興産さんのコミカルなパターンのラジオCMの雰囲気を大切にしました。
P 福島)Spotifyというフォーマットで流れることを鑑み、「音楽と音楽の間に流れる」点と「視聴者はイヤホンをして聴いてる」ことを前提としたコンテンツ作りを意識しました、具体的にはバイノーラル録音をして没入感を与えるような工夫をしました。そして、冒頭のアタックがとにかくキーになるだろうと思いました。何の広告だろうと思わせるにはどうするか?アイデア出しを重ねました。 -
実際に広告配信した結果を見て、どのような印象をお持ちでしょうか?
D 齋藤)音楽の間に流れる広告だから、さらっと流せないようなクセがあるものにしてこそ、今回のテーマ、アグリバイオ事業の認知に繋がるという思いがありました。測定報告書を受けて、それを達成できたのではないかと思っております。
P 福島)数値的には上がっていて安心しましたし、思ったより反響があり驚きました。特に男性が多いのが意外です。どういった理由でクリックされたのかが気になりました。 -
今後のデジタル音声広告について、広告を制作される側として可能性をどのように感じていますか?
D 齋藤)今回の結果には満足していますが「こういう音楽との絡ませ方もできるな」とか「こんなツカミだったらどうだったろう」「こういう流れにしたらもっと強く伝わったかもしれない」などなど、もっとデジタル音声広告という特性を生かした個性のある面白いコマーシャルが作れるような気がしています。季節外れな表現ですが…今回のラボには、未だ足跡のない雪の積もった地面を進んでいくような、そんな気持ち良さがありました。
P 福島)2020年ポッドキャスト元年と言われ、Youtuberのように、ポッドキャスターを名乗る人も増えてくるかと思います。そうした場合、ポッドキャストのコンテンツ増加に伴い、今以上に各企業も音声広告に注目するでしょうし、制作の需要も拡大してくるかと思います。その中で、デジタル音声広告は環境的に耳に入ってくるのだなと感じました。声優ブームもまだまだ続くので、コンテンツの選択肢として確実に入ってくるなと思います。
Spotify
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クライアントのオリエンを聞いて、Spotifyのどのような特徴が活かされると考えましたか?
「食に関心の高い層をターゲットに、食の安心、安全を考えている企業イメージを伝える」というゴールに対して、Spotifyの広告は、その特徴である音楽視聴をベースにしたカテゴリー、オーディエンスセグメントによるターゲティングが可能なので相性がよく、また今回のメッセージがクリアなので、これまでの企業イメージからの変化についても、事後調査で分かりやすい結果が得られるのではないかと感じた。
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配信結果を見て、どのように評価されていますでしょうか?その他の調査と比較して傾向や気づきがあれば教えてください。
事後調査では総体的に高い広告効果を示しており、特に今回のテーマである“アグリバイオ事業展開”の認知率は非接触者に比べ30pt以上高く、行動実績ではネット検索等を含めた行動喚起率は6割を超え、食意識ありの広告接触者で「身体によい食品を選ぼうと思った」のTop2スコアが9割以上と、広告接触者から高評価が得られ、「食の安心、安全を考えている企業」のメッセージを伝えるというゴールは達成できたと感じています。
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今回の結果を元に、クライアント企業・クリエイティブ側の皆さんに伝えたいことは何ですか?
強いブランド力を持つ出光様、柔軟なクリエイティブ力を持つフラッグ様とのコラボレーションが、いい成果を出せたと思います。事後調査の「広告評価」はすべての指標において高く、「印象に残った」「内容が分かりやすい」では7割を超える結果に。特に『P:桃太郎篇』では全体で約90%、20代では年代トップの92%と、アグリバイオ事業の家畜用資料添加物という一般消費者にはやや難しいテーマを、分かりやすい設定に置き換え、食の安全のメッセージを伝えることに成功したと思います。
フラッグによる
音声クリエイティブ
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桃太郎篇
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家畜篇
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料理上手篇