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「女性誌編集の仕事」
井上 敬子氏(文藝春秋 『CREA』編集長)

開催日:2006年11月7日(金)
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guest2006年11月7日、東京青山こどもの城セミナールームにて、SSCセミナーが開催されました。講師は、『CREA』編集長の井上敬子氏。ひとつのテーマを徹底的に掘り下げる『CREA』の特集主義は、20代、30代の女性から圧倒的な支持を集めてきました。女性の心を捉える企画の立て方の秘訣、表紙選びの決め手など、雑誌編集の裏舞台を語っていただきました。
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雑誌の生命線は企画内容と広告

 『CREA』は、他の女性誌に先駆け、リゾート、ペットなどの特集を企画し、数々のヒットを生みだしてきた。そうしたヒット企画のひとつに7年前に行なった「ベトナム特集」がある。今となっては、ベトナムは女性の旅行先として人気の国だが、当時はまだ、観光地としてメジャーな存在ではなかった。ところが、その頃編集部員であった井上氏がたまたま出張で訪れたところ、ヨーロッパのような町並み、安価でかわいい雑貨などに、これまでのイメージを大きく覆されたという。「その話を上司に伝え、特集につながりました」。結果は完売。これがきっかけでベトナムがおしゃれな旅行先として認知されるようになった。
ヒットを生み出す秘訣について、「みんなが潜在的に待ち望んでいるが、特集されていないものを発掘するのが大切」と話す。しかし、売れるとなると他の雑誌も追随してくるため、単なる繰り返しでは売れ行きが鈍る。
「常に新しい企画や切り口を考えなくてはならないのが辛くもあり楽しくもありますね」。
こうした編集企画以外にも、井上氏が重視しているのが「広告」だ。ビジュアル誌は、制作に膨大なコストがかかるが、これを部数の売り上げだけでカバーするのは難しい。そこで、広告収入が重要になってくる。「最近は純広告よりもタイアップ広告(記事風広告)が増えているので、広告においても編集者は企画力を求められます」。広告主と編集部のメッセージが一致することによってタイアップ広告は成功するのだという。

編集長の最も大切な仕事、表紙選び

guest 編集長の仕事で、最も重要かつ頭を悩ませるもののひとつが、「表紙を決めること」だという。ここで、「母になる!」という特集を組んだときのお蔵入り表紙を初公開。実は表紙候補の写真は3種類あった。迷いに迷った結果、最終的に決め手となったのは、メイン読者層である身近にいたワーキングマザーや働く妊婦の声だった。「人の意見を聞くのも非常に大切ですが、多数決がいいというわけではない。書店には、万人に好まれるような美しい表紙の雑誌が数多く並んでいる。その中で、読者の目をひくには、ある程度の驚きや違和感も必要。その見きわめが難しい」。

優秀な編集者は矛盾した資質を持つ

 また、井上氏が理想とする編集者とは、「矛盾した資質を持つ人」だという。
「例えば、オタク的なねちっこさとクールな部分を持つ人。何かを情熱的に面白いと思える人でなければ、編集の仕事は務まらない。その一方で、自分を客観視できることも必要」。
どうすれば周囲のスタッフをはじめ、読者に面白いと思ってもらえるかを冷静に分析し、数字的な目線を持つことが非常に大事なのだそうだ。
さらに就職活動については、「面接官が見るのは相手の人となり。緊張がほぐれた瞬間に真意が伝わることがある。日頃から知らない人と10分程度で打ち解けるトレーニングをしておいてはどうか」とアドバイスした。会場に集まった学生は熱心に聞き入り、編集者への憧れを強めた様子だった。

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参加者の声

●漠然としていた編集や、出版の仕事に関するイメージが明確になりました。新しいものを作り出す難しさを改めて感じました。今回のセミナーに参加して、より一層、出版の世界への興味が増しました。

●雑誌制作の流れから、実際に編集員や編集長が携わる業務内容まで、多岐にわたったお話を伺うことができ、編集者という仕事を理解するうえで大変参考になりました。特に、表紙や企画を決める段階で、多数決決定するのではなく、少し引っ掛かるものというお話は興味深く、こうした考えが編集者に求める矛盾した資質につながっているのかもしれないと思いました。

●編集者の生の話が聞けてとても面白かったです。編集者というと、華やかなイメージしかありませんが、とても大変そうです。それでも、編集者の仕事にはとてもあこがれます。井上さんの話はとても生き生きとしていて、大変であるけれど、やりがいのある仕事なんだなと感じました。

 

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