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就職活動対策「広告会社の仕事とは?」
川幡卓也氏
(電通 コーポレート本部 人材開発局 キャリアデザイン室 採用計画部)
大野正子氏
(電通 第2アカウント・プランニング本部 第8営業局)
開催日:2005年12月6日(火)

クリエイティブ マーケティング 営業 その他

guest2005年度第6回の宣伝会議スチューデントクラブセミナーが行われました。 講師は電通の人材開発局の川幡氏と、営業ウーマンとしてご活躍の大野氏。 川幡氏からは広告ビジネスの概観や、電通が手がける事例を、大野氏からは、ご自身の就職活動や入社直後のエピソードから心構えについて楽しくお話いただきました。 就職活動が本格的にスタートする12月、会場からは積極的に質問が飛び出しました。  このレポートでは、大野氏のお話の一部と、Q&Aをダイジェストで紹介します。
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「代理店に行きたい理由は明確にありますか?」
 学生時代にラジオのDJをしていたので、面接のしゃべりには自信がありました。でも70社受けて2社しか受かりませんでした。今なら理由がわかります。自分が受験する会社について何も勉強せず、日本という社会がどう動いていくのか、どういう業界の景気がよいのか、世の中に何が求められているのかを全く理解していなかったんです。ですから皆さんにお伝えしたいのは、おおまかで良いので理解して下さいという事ですね。

  内定はゴールではありません。内定をとった後の人生のがよっぽど長いんです。「電通にどうやったら受かるんですか?」ではなくて「電通に入って何をやりたいのか」を考えてください。「面接官から○をもらったから認められた」というのは間違いです。「自分の夢はこういうもので、だからこのパワーを採って下さい!」と売り込んで下さい。自己分析ばかりではダメです。電通が置かれている立場を理解して、自分のセールスポイントを考えてください。恋愛と一緒ですよ、相手がどういう状況にいるのか把握してください。
「人を思いやる能力が必要な営業職」
 私はもともと雑誌局出身です。女性誌も担当しましたが、時には男性誌の袋とじ(ハサミなどで切って初めて読むことができるページ)をどのように使うか、なども考えていました。ある時「雑誌を理解している奴が欲しい!」といわれて、営業に異動しました。  営業の役目は、クリエーター、マーケッター、メディアの担当者をまとめることです。良くも悪くも自己主張の強い人たちが、お互い納得する形でクライアントに提案しなければなりません。ですから、リーダーシップよりは人を思いやれる能力が求められます。
「消耗人材とコア人材、あなたはどっち?」
 社会人にも2種類あると思います。ひとつは、人にいわれたことをまじめにコツコツする「消耗人材」。もうひとつは、言われたことに自分らしさと新しさを加えて、提案する「コア人材」。みなさん、学生時代は詰め込みでものを覚えてきたと思いますが、社会人は違います。聞いた情報から更にもう一歩進められる、ベストな状態を常に頭に描きながら仕事ができるようになって欲しいと思います。相手の言ったことを頭で咀嚼して、きちんと結果を出せる人。そういう人に来ていただきたいです。
Q&A
Q1:電通でも、実はこんな小さいこともやっている!というのがあれば教えてください。
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大野 どちらかというと地味な仕事が多いです。街頭イベントのサンプリングで、私自身がコンパニオンをするとか(笑)
川幡 オリンピックも4年に1回ですし、誰もが知っているような大きな仕事よりも基本的に大部分は地味な仕事です。新聞局時代など数万円単位の仕事もざらにありました。
Q2:希望の部署にはいけるものなのでしょうか?
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川幡  内定の時期にまず希望を聞きます。また、入社後1ヶ月半の研修を通じて、そこで指導をするリーダーとサブリーダー(先輩社員)が「この人は何に向いている」というのを考え、営業現場実習時の適性などを含め総合的に判断します。
 「あなたのやりたいこと」も非常に大切ですが、会社というものは「会社のやらせたいこと」を優先させます。たとえば大野さんが、「オリンピック事業をやりたい」と主張しても、その部門が2年目の男性が欲しい、となればマッチングはできません。ただ、電通は各部門の垣根が低いので、セクションを越えて自分でやりたい仕事を企画・実施してしまうことはできます。ただ当然のことですが、与えられた部門の仕事をきちんとこなせないようならば、他の部門に異動するのも難しいでしょうね。実際には、会社としては常に本人の希望を聞き、現場の各セクションのニーズを聞き、適材適所のマッチングを考えてはいます。
参加者の様子
Q3:大野さんは“社会性のあるエゴイスト”なのかな、と感じました。学生のエゴイストと社会人のエゴイストの違いがあれば教えてください。
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大野 (笑)私、すごいエゴイストだと思います。大学生から新入社員にかけて、今よりも「私」が全面に出る感じでした。入社後めちゃくちゃ叩かれまして、なんと厳しい会社だろう?!と思ったものです。でも叩かれるのには理由がありました。エゴイストはそんなに悪くない、「こうした方がいい」という信念があって提案できるわけです。ただ、「言い方」というのがあります。「いつ言えば伝わるのかな」などを思いやれることが社会性、即ち「社会人のエゴイスト」だと思います。
Q4:お二人とも紙媒体出身とのことですが、インターネットメディアが台頭する中で、紙メディアがどのような位置づけになると思いますか?
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川幡 私が新聞局に配属された19年前など、「そのうち新聞はFAX新聞になっちゃうんじゃないか」といわれた時期もありましたが、実際はそんなこともなく、部数は決して減っていません。ある会社の宣伝部長さんが、「新聞はモバイルに負けませんか」と聞かれて「新聞は最高のモバイルツールですよ、あれだけ一覧性もあって、数時間前の情報が単庫本数札分載っているんですよ。さらにどこにも持ち運べる」とおっしゃっていて、納得しました。また地方の新聞社には地元の政官財の情報が集積しますし、圧倒的な普及率を誇って住民から求められています。さらに報道機関としての信頼も厚いです。結局大切なのは、それぞれの利点を活かしながら連携していくことだと思います。
大野 雑誌の話をします。通常、男性誌だと車、タバコ、時計などが。女性誌だとファッション系やコスメ系がクライアントになります。雑誌がネットと一番違う点はビジュアルの美しさです。やはり、コスメ誌を開いてその発色を確かめる、という行為は無くならないのでしょうか。また、雑誌はセグメントメディア、つまり読む人が決まっているメディアです。女性の中でも、ギャル、コンサバなど色々な価値観の人がいます。その雑誌を読むことでその価値観が得られるわけですから、そういう重要な位置にあると思います。
Q5:電通の課題は何でしょうか?
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川幡 メディア環境が劇的に変化している中で、これに対応することが大きな課題の一つであると考えます。メディア環境が大きく変化した際に、これまでの強みであった部分を継続させられるのか、電通のビジネスモデルはどう変わってくるのか、1歩も2歩も先を見据えなければなりません。時代が変われば、メディアも人も変わります。それを把握し、分析し、より高度なコミュニケーション活動を日々目指しています。
Q6:商品ブランドコンセプトはどのように作っていくのでしょうか?
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大野 まさしく先週までやっていた作業です(笑)今、2008年の秋の化粧品コンセプトを作っています。3年後、消費者の行動がどうなるかなんてわかりません。ですから、3年後ターゲットになる人の意見を吸い上げるわけです。「どういう生活を送っているの?」、「何を大切にしているの?」、と質問して彼女たちのライフスタイルを洗い出して行き、「おそらくこんな風になります」とクライアントさんに提案して、お互いにもみ合っていきます。また、ひとくちに化粧品と言ってもデパートやコンビニ、いろんな場所で売られていますからそういったところを決めて行きます。
―川幡さん、大野さん、貴重なお話をありがとうございました。


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