「プロデューサー」という職種はテレビ制作業界でも音楽業界でも一般企業でも使われ、またその権限や仕事内容はそれぞれに違い、定義づけされたものではない。そのため、「CMプロデューサー」と言われても具体的にピンとこない学生の方は多いのではないだろうか。今回の宣伝会議スチューデントクラブセミナーでは、広告制作会社としては最大手、東北新社のCMプロデューサーである小佐野保氏と、プロダクション・マネージャー(以下PM)の村上輝樹氏を招き、CM制作会社のプロデューサーとPMが具体的にどのような仕事をするのかを話した。
「プロデューサーの仕事は、CMプランナーたちが決めた企画や、ディレクター(ここではCMを撮影するときの監督)の思いを具体的な形にすること」小佐野氏は話し出す。「企画をたてるだけではCMは完成されない。プロデューサーが『イメージ・アイデアを具現化する』ことで初めて世の中に出るから、この仕事に誇りを持っています」。
一般的なCM制作の流れは、CMプランナーたちが描きあげたCMコンテをもとにディレクターが演出コンテ(撮影に必要な要素を取り入れた具体的なカメラアングルなどを書き入れたもの)をつくり撮影に入るが、プロデューサーはCMプランナーやディレクターの作ったコンテをもとに実際の撮影のプロデュースを取り仕切る重要な役目だ。プロデューサーの指示を受け、PMたちは具体的なロケーション確保や撮影スタッフの手配など撮影に必要なすべての準備に取り掛かる。
「あるCMではロケ地を探すために沖縄に2週間入り、毎日朝から晩まで沖縄中を真っ黒になって走り回り、CM撮影イメージに合うロケーション候補を探しました」と村上氏。村上氏が探し出したロケーション地の映像をプロデューサーが確認し、判断。撮影場所が確定すると、手配していた撮影スタッフなどを連れてディレクターとともに現地入りをする。プロデューサーは場所や人材のプロデュースだけではなくもちろん撮影費用をはじきだすなど、撮影においての責任者でもある。 |