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2008/02/06 レポート:広告界人材事情(アドバタイムズ。取材班)

週刊『アドバタイムズ』では2007年10月から、「広告界人材事情」と題したシリーズ連載を実施しております。今回はその最終回(第7回)を紙面からお届けします。(取材班)

第7回「それでも広告界に期待 "広告好き"が未来作る」

広告界のブロガー100人が集結

 1月初旬、東京・渋谷の居酒屋にネット広告の第一線で活躍する100人近くの有志が集った。それぞれブログを執筆する面々で、ブログ上での呼びかけを通じて実現した企画。(参照:広告系ブロガー新年会について

 何かをテーマに講演、討論する場ではなく、いわゆる「オフ会」の位置づけで、互いの交流を深める一夜だった。著書やブログなどを通じ名は知るものの、顔を合わせるのはほとんど初めて。翌日のブログには「(座敷で)大のオトナが立ちっ放しで名刺交換し続ける姿を初めてみた」との感想も綴られる。

 参加者の中には「後から振り返ると、歴史的な場になっていたかも知れない」(広告会社インタラクティブ担当)と興奮気味に話すなど、新しいビジネスへの化学反応を予感させる場面でもあった。年齢、所属はそれぞれ違うものの、広告好きで相通じた。「何か面白そうなことができそう」――。同志が一堂に会した場で、人が秘める可能性も互いに感じた。

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100人近くのブログ執筆者が集まり、名刺交換(東京・渋谷)

2度目の転身

 活躍の場を移すことで、自分の可能性を試そうとするケースもある。

 オグルヴィ&メイザー・ジャパンのクリエイティブ ディレクター、國武秀典氏は07年12月、電通九州から移籍した。自身のキャリアでは2度目の大きな決断となった。大学卒業後は精密機器商社で海外営業などを経験。ただ元来の広告好きから 業務の傍らコピーライターとしての訓練を重ね、31歳という遅い年齢で異業種からの転身を果たした。

 その後は九州の主要クライアントを数多く手がけ、05年には日本広告業協会の「クリエイター・オブ・ザ・イヤー・メダリスト賞」を獲得、順調なキャリアをたどった。そこで次第に沸いてきたのが、「東京発の規模の大きいコミュニケーションを手がけたい」という思い。東京に拠点を移す決断に時間をあまり要さなかった。

 九州から移る際、同僚らからは転職理由をたびたび聞かれたという。実績を積み、家庭も構える中、40歳を過ぎ転勤を伴う外資系への転職に周囲は関心を注いだ。「落ち着くのはまだ早い」――。クリエイティブとしてまだ10年程のキャリアであるほか、いずれグローバルに発信したいという目標が明確だった。周囲の心配をよそに、國武氏にとってはごく自然な選択でもあった。

 

「時間も忘れ、のめり込む」

 ビーコン コミュニケーションズのデジタル部に所属する新野文健シニアプロデューサーは、現在の仕事にこれまでと違った面白さを感じているという。新野氏は以前NECのグループ会社に在籍。NECのブランディングサイトを手がけ、04年にカンヌ国際広告祭サイバー部門でグランプリを獲得するなどの華やかな実績を持つ。

 その後ビーコンに移った現在、Webプロモーションの企画立案や進行を統括する。クライアントの都合もあって、表舞台に出る機会は減ったものの「考えた仕掛けが奏功し、売り上げなどに寄与する手応えは充実感が大きい」(新野氏)とし、クリエイティブとは異なる、新たな側面にやりがいを見出している。

 もとはNECのPCインストラクターとしてそのキャリアをスタート。今の仕事を当時、想像もしなかったという。心がけているのは「面白そうなサイトがあると時間も忘れ、のめり込むこと」。力みなく語る姿に、好奇心の積み重ねが今のキャリアを支える様子が伺える。

 

入社前に人脈着々

 冒頭に紹介した集いで、社会人に混じり1人の大学生が参加していた。慶應義塾大学4年生の海野紗瑶さんで、4月からジェイアール東日本企画に入社する。外資系化粧品メーカーのマーケティング職で内定も得ていたが、「今、広告という仕事が一番面白い」と感じ広告業界を選んだ。

 モノが売れない、広告が効きづらい――業界内で囁かれる環境は承知済み。これまでの方程式が通じづらい分、自分の創意工夫が発揮しやすいと意気込む。先で知り合ったメンバーと早くも「次の集い」を企画、人脈を着々と広げ4月からの入社を心待ちにする。


 取材班のインタビューを通じ、広告界の第一線で活躍する数多くの人材に仕事観を聞いた。業界外から「仕事へのこだわり・思いが強い人の多さは広告業界の特徴」(立教大学キャリアセンター)と映る面は、取材を通じ改めて感じたこと。業界を取り巻く環境は変われど、大切にしたいDNAである。

アドバタイムズ。編集部 「広告界人材事情」取材班)

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